研究課題/領域番号 |
17K17464
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
キタ 幸子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (70757046)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | パートナーからの暴力(IPV) / メンタルヘルス / 教育プログラム / 介入研究 |
研究実績の概要 |
実施概要:IPV被害女性の効果的な周産期ケアプログラム及び医療者に対するIPV教育プログラムの開発・効果検証に向けて、令和1年度は平成30年度に実施したIPV被害を経験した女性への介入研究の追跡調査の実施と周産期医療・保健関係者を対象にした妊娠期のIPVに関する教育プログラムを開発し効果検証を行った。 実施の詳細:1) 平成30年度に行ったClinical Ethnographic Narrative Interview法を用いた介入研究を実施した過去にIPV被害を経験した女性23名を対象に、介入プログラム後の長的な効果を検証するために、介入後から1か月半時点である令和1年6月~令和2年2月に、質問紙及びインタビューを用いた追跡調査を実施した。2) 平成31年3月~令和1年9月に配偶者暴力相談支援センター1か所の協力の下、周産期医療・保健関係者(医師、助産師、保健師、看護師、ソーシャルワーカー、臨床心理士など)99名を対象に、IPV対応の疑似体験、グループワーク・ディスカッション等を取り入れたアクティブ・ラーニングを用いた妊娠期のIPV対応に関する研修プログラムを実施し、効果検証(前後比較試験)を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の31年度の計画では、周産期医療・保健関係者へのプログラムの開発・効果検証及びその分析と結果公表を行う予定であった。しかし、開発したケアプログラム(ナラティブインタビュー法を用いた介入プログラム)の長期的な効果を検証するために、急きょ、追跡調査を実施したことや、フィールド調整に時間を有したことなどが原因で、当初の予定よりも遅れてIPV教育プログラムの効果検証に向けた調査が終了し、現在、解析・成果発表に向けて準備を行っている段階である。そのため、当初の計画よりもやや遅れていると考える。
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今後の研究の推進方策 |
現在、IPV被害女性へのケアプログラム及び教育プログラムの効果に関する質的・量的解析しており、令和2年6月末までに終了する予定である。その後、それらの結果を積極的に論文執筆・英文雑誌投稿・学会発表により成果発表をする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成31年度は、開発したケアプログラムの追跡調査の実施やフィールド調整に時間を有したことから、周産期医療・保健関係者への妊娠期のIPVの知識・対応に関する教育プログラムの実施が遅れて、解析を終了し成果発表するまで至らなかった。令和2年度は、令和2年5月末までに質的・量的解析を終了し、成果発表を行う予定であり、英文校正費、旅費、交際し投稿費として使用する予定である。
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