研究課題/領域番号 |
17K17466
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
藤田 景子 静岡県立大学, 看護学部, 准教授 (60587418)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ドメスティック・バイオレンス / 被害 / 支援 / 臨床 / 実践 / 能力 / 看護 / 助産 |
研究実績の概要 |
平成30年度は、平成29年度に行ったDV被害者支援に必要な知識や技術の研修に参加した助産師を対象に、事例検討会を行った。研修会後、どのようなDV被害者に出会い、支援を行ったか、その事例において、DV被害を受けている女性を、どのような場面で、どのように察知(発見)しているのか、被害女性の気になる様子について、関係職種との連携について具体的に話を聞き、メンバーで検討を行った。その際、必要になる助産師の知識や態度についても明らかにしながら検討を行った。 研修会でDV被害者支援に必要な知識や技術を伝えると、助産師は、よりDV被害者に気づきやすくなったり、気になる様子を発見したり、察知していた。その視点を元に、DV被害者の支援に取り組んでいる様子が明らかになった。しかし、自分の行った支援やケアが本当にこれでよいのか、次に会う時にどのような対応をする必要があるのか、どこにつなげていく必要があるのか等迷いながらの実践であった。よって、DV被害者支援に関しては、定期的なスーパーバイズ等の機会を設定し、助産師によるDV被害者支援に関するエンパワメントを行っていく必要性も見出された。 上記と並行し、DV被害当事者の子育て中の困難に関するインタビュー調査のデータを分析し、当事者の視点から看護者に求めるニーズに関しても検討を行った。一方で、性暴力被害への支援に関する文献検討において、医療機関における看護支援・援助についても現状と課題を抽出し、暴力被害支援に対する看護者の姿勢や態度について検討した。医療機関での被害者への看護者の対応について多角的な検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度、看護職以外の多職種へのインタビュー調査も行う予定であったが、看護者及び当事者のインタビューデータを再分析、視点を変えた文献検討を行ったことで時間がかかった。今後、多職種の依頼も同時並行し、実施していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、多職種へのインタビュー調査の依頼及び実施をしつつ、看護者の経験数や職位別の違いを明確にするためインタビュー調査を引き続き行い、多角的な視点から周産期及び育児期におけるDV被害者支援のための看護者のコンピテンシーを明確にする。
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次年度使用額が生じた理由 |
DV被害当事者及び看護者のインタビューデータの再分析を行いDV被害者支援のための必要な能力を明らかにした。それをふまえた次のステップとしての多職種へのインタビュー調査の実施が次年度に行うこととしたため。また、本年度、上記の論文投稿予定であったが再分析により投稿時期を次年度にしたことから次年度の使用が生じた。
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