保健医療機関において周産期及び育児期にあるDV被害者を支援するあたり、被害者の発見から支援、その後の関係職種との連携において、必要な看護援助を明らかにすることを目的とした。 研究参加者は、保健医療機関においてDV被害者支援に携わった経験のある、3年目以上の助産師15名とした。調査は、インタビューガイドを用いた半構造化面接を実施した。データは、逐語録にし、DV被害者への実際の看護援助について抽出し、質的記述的に分析した。 助産師外来及び産科病棟で勤務している助産師15名が研究参加した。DV被害を受けている女性について、スクリーニングをしている病院においては、スクリーニングにおいてチェック項目に記載があり、そこから面談を行いDV被害を受けていることをキャッチしていた。スクリーニングをしていることで、妊産婦の方から、DV被害を受けている旨の相談があることも明らかになった。また、疑わしい発言や、表情が見られた場合には、助産師は、「間違っていたらごめんなさい」と直接その内容を尋ねていた。このように、尋ねることで、DV被害について支援ができる場所であることを妊産婦に伝える機会となっていることが考えられた。DV被害が明らかになった後の連携に関して、発見とその後の主の支援者との連携や、最初どこまで何を聞いたらよいのかについて混乱が聞かれた。同職種連携であっても、情報をどこまで共有し、どのような支援を具体的に行なっていくのか、チームにおいて話し合いをしていくことが必要であることが示唆された。 以上より、保健医療機関におけるDV被害者への看護援助について、助産師が身に着けておく知識や態度が明らかになった。今後、これらの結果について、教育プログラムに組み入れ、さらに研修を重ねることでの看護者の援助の変化や、習熟度に合わせた技術や知識に関する到達度を検討し検証していく。
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