研究課題/領域番号 |
17K17478
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
山田 加奈子 大阪府立大学, 看護学研究科, 講師 (90583740)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 妊娠糖尿病 / 産褥期 / 耐糖能検査 / 産後のフォローアップ |
研究実績の概要 |
本研究は、産後耐糖能が正常化した妊娠糖尿病(以下,GDM)既往女性の産後の支援体制を確立するための研究である。調査結果から将来2型糖尿病発症率が高率にもかかわらず、産後の耐糖能検査を受検していない未受検者が問題であることがわかった。そこで産後の耐糖能検査を受検していないGDM既往女性(未受検者)の将来の2型糖尿病発症のリスクの保有状況を明らかにすることを目的に調査を行った。 2015年1月~2017年12月に周産期医療センター2施設でGDMと診断された日本人のGDM既往女性を対象に、診療録からデータ収集を行った。Kugishimaら(2018)の日本人のGDM既往女性の2型糖尿病発症のリスク因子(75gOGTT2時間値≧183mg/dl、HbA1c≧5.6)、川崎ら(2020)のGDM既往女性の2型糖尿病発症のハイリスク群を予測するリスクスコア(合計点0~19点、12点以上を2型糖尿病発症のハイリスク群)を用いて検討した。対象期間の全分娩は4442人、そのうちGDMと診断された妊婦は153人であった。双胎等除き、研究対象者は117人であった。分析では75gOGTT2時間値とHbA1cの両データがある未受検者30人を対象とした。 Kugishimaら(2018)の2型糖尿病発症のリスク因子では、未受検者のうち75gOGTT2時間値≧183mg/dlもしくはHbA1c≧5.6のハイリスク群は10人(33.3%)、ローリスク群は20人(66.7%)であった。川崎ら(2020)の2型糖尿病発症の予測のリスクスコアでは、未受検者のうちスコア12点以上のハイリスク群は4人(13.3%)、ローリスク群は26人(86.7%)であった。未受検者の中にも将来高率に2型糖尿病発症するハイリスク群が含まれていた。 結果から1か月健診等を活用して、産後の耐糖能検査に漏れない支援体制が早急に必要だと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の蔓延によって通常業務に時間を要し、研究時間を十分に確保することができないために研究に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きデータ分析を行い、その研究成果を学会で発表し、投稿論文を予定してしる。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は研究が遅れたために学会発表・論文投稿など積極的に行うことができず、予定使用額に差が生じた。次年度助成金は学会発表のための参加費および英語論文の英文校正費、投稿費として使用する予定である。
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