2017 年度実施状況報告書

妊娠期ケアにおける臨床判断に関する現任教育プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号	17K17481
研究機関	高知県立大学
研究代表者	西内舞里高知県立大学, 看護学部, 助教 (10783649)
研究期間 (年度)	2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード	臨床判断 / 妊娠期
研究実績の概要	助産師は妊娠期において、正常な妊娠経過をたどっているかどうか、また正常を維持するために何が必要かを、判断し、指導を行う必要がある。さらに、妊娠経過が異常と判断した場合、異常を回避する方法を考え、実践するという役割がある。妊娠期における臨床判断がその後の女性の状況を左右するため、妊娠期のケアの実践能力として臨床判断力を養う教育が必要である。本研究の目的は、妊娠期のケアにおける助産師の臨床判断の内容を明らかにし、その結果から対象に関わる際のアセスメント項目や効果的な情報収集、ケア方法の検討、適切な保健指導の方法論を検討し、妊娠期ケアにおける臨床判断に関する現任教育プログラムの開発を行うことである。これにより、妊娠期のケアにおける助産師の臨床判断を言語化、理解を進めることは、助産師が個々に持つ専門的知識や技術の積み重ねを臨床知識として明らかにすることができる。妊娠期のケアの方法論に新たな知見を見出し、助産師現任教育の課題である妊娠期のケアに関する実践能力獲得に活用することができる。今年度は、妊娠期、臨床判断、妊婦健康診査に関する国内外の文献を収集し、臨床判断を抽出し、妊娠期のケアにおける助産師の臨床判断の内容を明らかにすることを目標とした。妊娠期、臨床判断、妊婦健康診査に関する国内外の収集した文献から妊娠期のケアにおける助産師の臨床判断に関する内容を抽出し、カテゴリー化を行った。「観察」「妊婦と胎児の健康状態の解釈」「今後の経過の予測」「より健康で正常な妊娠経過をたどるためのケアの決定」という4つの構成要素を抽出した。今後、これを活用してデータ収集を進めていく予定である。
現在までの達成度 (区分)	現在までの達成度 (区分) 3: やや遅れている理由今年度の目標である、妊娠期、臨床判断、妊婦健康診査に関する国内外の収集した文献から妊娠期のケアにおける助産師の臨床判断に関する内容を抽出し、カテゴリー化は進んでいる。しかし、現在、研究に協力いただける助産所施設管理者および対象者へのアクセスを行っているが、高知県内での助産所施設は困難な状況であり、施設の選定に時間を要しているため参加観察、面接調査を実施するに至っておらず、やや遅れている。
今後の研究の推進方策	研究対象となる施設管理者および対象者から研究協力の承諾、同意が得られたらデータ収集を進めていく。同時に文献検討と合わせて妊娠期の助産師の臨床判断を構造化していく。また、研究協力者を20名としていたが、対象者が少ない場合には、対象者を減らして、参加観察を行う妊婦健診場面を20例として研究を進めていくことを検討している。
次年度使用額が生じた理由	研究がやや遅れており、平成29年度に計画していたデータ収集を進めていくにあたり、インタビューを行えていないため、未使用額が生じた。今年度はインタビューを進めていくため、交通費に使用していく予定である。中四国近畿圏内の助産師に研究依頼をするため交通費が必要である。また、ガイドラインを用いた教育実施協力の際にも高知県内だけでなく中四国圏内の医療施設に依頼するため、交通費が必要である。研究結果を学会で発表するための学会参加費が必要である。さらに、研究協力者への謝金は1人平均2時間程度（2000円/時間）を想定している。インタビューの逐語録作成に、対象者1名あたり5時間程度（1000円/時間）必要である。教育実施参加対象者への謝金は専門職者を対象としており、謝金が別途必要と考える。また、評価のためのインタビューにおいて一人あたり（2000円/時間）謝金が必要である。その他、研究に必要な資料の収集や整理について研究補助が必要である。