研究課題/領域番号 |
17K17489
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研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
西垣 佳織 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (90637852)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 重症心身障害児 / レスパイトケア / 家族看護 |
研究実績の概要 |
重症心身障害児を対象としたレスパイトケアを、重症心身障害児の家族が効果的に利用できるための看護を検討することを目的に、今年度は、はじめにレスパイトケア利用を促進するツールの作成に着手した。国内外の先行研究の知見についての文献検討、レスパイトケア施設で援助についての情報収集をもとに、重症心身障害児および家族の発達段階の状況に応じた、効果的なレスパイトケア利用について考察した。その成果をもとに、重症心身障害児を対象としたレスパイトケアを家族が効果的に利用することを促進する内容のリーフレットの案を作成した。本リーフレットを実用化するために来年度以降実施する、重症心身障害児・者の家族からの質問紙およびインタビューによる調査の研究計画の立案および、対象者紹介の場の設定についての準備を実施した。 また、重症心身障害児を対象としたレスパイトケアの効果的な利用を検討するために、家族が重症児とともに生活することが、重症心身障害児の家族にとってどのような意味を有するかを、システマティックレビューを用いて明らかにしている過程にある。分析の視点として、重症心身障害児の介護によって生じる負担感および肯定感、重症児と生活することによる生活への肯定的影響、家族の力の増進、地域社会とのかかわり、価値観の変容を設定している。この成果から、個々の家族の状況に応じてレスパイトケアの効果的な利用を促進する看護を検討していくための方策を検討する。 来年度以降には、上記の成果を統合して、レスパイトケアの効果的な利用を促進するリーフレットを用いて、レスパイトケア利用が重症心身障害児の家族の生活をどのようにサポートしていくことが必要であるかについて、詳細に検討する。そのために、家族がどのようにレスパイトケアを利用して在宅療養をしている状態にあるかを測定できるツール(介護負担感を測定する尺度等)の作成を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
重症心身障害児の家族がどのようにレスパイトケアを活用して在宅療養をしている状態にあるかを測定できるツール(介護負担感を測定する尺度等)の開発準備と並行して、レスパイトケアの効果的な利用について促進するツールとしてのリーフレット(案)の作成を並行して実施した。その結果、当初の研究計画と進度が異なる箇所はあるが、概ね予定通り進行していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
次年度には、システマティックレビューの成果を完成させ、重症心身障害児の家族の介護負担感を含めた在宅療養の状態を測定する尺度を開発していく。また、レスパイトケアの効果的な利用について促進するツールであるリーフレットを重症心身障害児の家族への調査(インタビューおよび質問紙調査)をとおして精錬する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は当初計画では、ツール作成のためにインタビュー調査および質問紙調査を計画していた。しかしながら、文献検討等による情報を統合し、ツール(案)を作成するとともに、尺度開発の準備となる文献検討も加えて実施した。そのため、インタビュー調査および質問紙調査を次年度以降に実施することとした。よって、次年度使用額が生じた。
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