研究課題/領域番号 |
17K17489
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研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
西垣 佳織 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (90637852)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 家族看護 / 重症心身障害児 / レスパイトケア |
研究実績の概要 |
今年度は、研究目的の内、主にレスパイトケア効果を測定するツールの開発に重点的に取り組んだ。アメリカの小児科医であるSteinらによって作成された健康問題をもつ小児の家族に与える影響を多面的に測定可能な尺度The impact on family scale(IOF-R) の日本語版の信頼性と妥当性の検証に着手した。本尺度は、家族システム理論に基づいて子どもが健康問題を有することが家族に与える影響を測定する27項目のリッカートスケールであり、自記式質問紙である。1)健康問題をもつ子どもの世話による経済的影響、2)家族と社会の関係性への影響、3)家族内の交流への影響、4)主介護者の主観的負担感、5)健康問題へのコーピングの状況を測定可能であり、信頼性・妥当性が確認されている。なお多言語への翻訳が行われているため、国際的な比較が可能である。また同じ著者らが開発したThe impact on family scale general (IOF-G) は、健康問題がない子どもをもつことが家族に与える影響の測定が可能である。両尺度には共通項目が存在するため、両者を用いることで、子どもをもつことによる家族への影響」と「健康問題をもつ子どもをもつことによる家族への影響」の両方を測定し、個別の状況に応じた支援の検討が可能となる。両尺度の日本語版を作成し、信頼性・妥当性を検証することで、国際的な比較が可能となることを目指した研究計画を立案し、倫理委員会に申請を行っている。複数の対象者紹介機関からの承諾を得ている。 レスパイトケア利用促進ツールは、意思決定支援モデルおよびレスパイトケア利用効果に関するシステマティックレビューの結果をもとに、プレテスト版を作成し、専門家からの意見聴取の準備を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
レスパイトケア効果を測定するツールの開発にについては、新型コロナウイルスの流行の状況により、調査期間を延期することを決定した。またレスパイトケア利用促進ツールのプレテスト版への専門家からの意見聴取についても、同理由にて延期を決定した。
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今後の研究の推進方策 |
レスパイトケア効果測定ツールであるThe impact on family scale(IOF-R) 日本語版の信頼性と妥当性の検証については、今年度後半に調査が実施できるように計画を進める。 またレスパイトケア利用促進ツールについても、今年度後半にて、専門家の意見聴取を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
質問紙調査実施段階で新型コロナウイルス感染症の流行により、調査対象者の生活が大きく変化する状況が生じたため、調査期間を延期することを決定した。それによって、調査に関連した支出が、次年度使用額となった。
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