研究課題/領域番号 |
17K17492
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
林 文子 愛知医科大学, 看護学部, 助教 (80782234)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 妊娠糖尿病 / 運動療法 |
研究実績の概要 |
妊娠糖尿病は周産期の母児だけでなく、出産後の母親の健康にも影響を及ぼす。妊娠糖尿病既往女性は産後5年以降に2型糖尿病を発症する割合が高く、妊娠糖尿病は将来の2型糖尿病発症のハイリスク因子とされている。ゆえに、生涯の健康を支援するためには、妊娠期より生活習慣への介入が必要である。しかし、海外では妊娠期の特別な運動プログラムによる血糖管理の効果は示されているものの、日常生活を改善する視点に基づいた、軽度な身体活動の血糖値上昇を抑制する効果については未だ明らかにされていない。そこで、妊娠中期に妊娠糖尿病妊婦の日常歩行と血糖値の関連を分析し、日常歩行が妊娠糖尿病妊婦の管理に有益であるかどうか評価を行った。さらに、妊娠中期の健康な妊婦の日常歩行と血糖値の関連と比較することで、健康な妊婦が妊娠糖尿病の発症を予防するために必要な日常歩行量の予測を行った。これらの基礎的データを基に、これから行う前向き観察研究の研究デザインについて助産師や研究者とディスカッションを重ね、洗練された研究デザインに仕上げた。さらに、研究者が所属する部署の倫理審査を申請し、審査を通過したため、研究実施施設と研究実施の調整を行った。サンプルサイズは、申請者らの先行研究よりGDM発症率は8%、独立変数を4つと想定し、500人の解析対象者が必要と計算している。また、研究協力率は50%と推測し、研究対象者は1000人と計算している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度に基礎的資料の作成が必要となり、研究に遅れが見られたが、その後の研究準備は順調に進めることができ、さらなる遅れは生じなかった。
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今後の研究の推進方策 |
研究を開始しデータを収集する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、研究を実施するための基礎的資料の作成が必要となり、研究を開始することが出来なかったからである。本研究の対象者は健康な妊婦であり、妊娠経過が順調であっても健康には特に注意を要する時期であり、妊婦の安全性を担保するために基礎的資料は事前に準備する必要があった。現在、基礎的資料は作成が済み、その資料を基に研究デザインを修正し、倫理審査が通過し、研究実施施設との調整が行われているため、研究は実現可能な状況である。ゆえに、今後の使用計画としては、必要な物品の補充や、データ収集に必要な費用を使用し、研究結果の発表にかかる費用について、当初の予定通り使用する見込みである。
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