研究成果の概要 |
本研究の目的は,ロボットが認知症高齢者に対して及ぼす影響や介在者(看護師・介護士)との相互作用を明確にし,ロボットセラピーの導入から継続使用に至るまでのRobot Therapy Program (RoboTP)を開発することであった.研究協力施設においてロボットセラピーとアニマルセラピーを実施し,それぞれのセラピー実施時の認知症高齢者の自律神経活動の結果と参加観察の結果を分析した.心拍変動解析の結果から,ロボットセラピー時には自律神経活動が活性化することが示唆され,RoboTPには介在者の支援と改善が必要であることが明らかとなった.加えて,認知症高齢者と介在者の相互作用のモデルを開発した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
認知症高齢者に対してロボットセラピーがアニマルセラピーとほぼ同等の効果(活動意欲の向上,活動量の増加,ロボットセラピー中の自律神経活動バランス)を臨床試験により示した.安価なコミュニケーションロボットでも認知症高齢者とロボットをつなぐための介在者が役割を果たせば,セラピーの効果が得られることが明らかになった.開発したModel for the Intermediary Role of Nurses in Transactive Relationships With Healthcare Robots: MIRTHは臨床でRoboTPを行う際のモデルとなる.
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