研究課題/領域番号 |
17K17508
|
研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
佐々木 晶世 横浜市立大学, 医学部, 講師 (90538018)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 睡眠 / 活動 / 介護予防 / 家庭血圧 |
研究実績の概要 |
24~81歳で降圧剤、睡眠薬を服用していない28名の高齢者と40名の勤労者を対象とした。睡眠、活動、家庭血圧は5-7日間連続して測定を依頼した。PSを非利き手の手首に装着して得られたデータを専用ソフトで解析し、基底心拍数、深睡眠時間、身体活動時間、精神活動時間を分析に使用した。家庭血圧は、日本高血圧学会ガイドラインに基づき、朝晩2回ずつ、上腕式の血圧計にて測定した。属性として、年齢、性別、既往歴、内服薬、BMI(Body Mass Index)、起床・就寝時刻の記録による自己申告の睡眠時間、高齢者のみ認知機能(Mini-Mental State Examination; MMSE)を調査した。統計学的分析はSPSS23.0(IBM社製)を使用した。その結果、高齢者28名中女性は20名、勤労者40名中女性は18名だった。BMIのみ男女間で有意差があり、男性の方が高かった(p=0.019)。家庭血圧と、年齢、BMI、睡眠時間の単純相関係数を調べた結果、朝の収縮期血圧(SBP)と正の相関があったのは、年齢(r=0.288)、BMI(r=0.353)、基底心拍数(r=0.354)で、負の相関があったのは、精神活動時間(r=-0.478)であった。家庭血圧に影響する要因を重回帰分析で検討した結果、基底心拍数、対数深睡眠時間、対数精神活動時間、対数年齢、対数BMI、睡眠時間の6因子を含むモデル3において、朝の収縮期血圧に対して基底心拍数、年齢、BMIに正の関連があり、深睡眠時間に負の関連がみられた。自己申告の睡眠時間と血圧には関連が認められなかった。さらに、深睡眠時間に影響する要因について、身体活動時間とBMIに負の関連があった。以上より、血圧管理には質のよい睡眠が重要であると示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
縦断調査へ向けての基礎調査である在宅高齢者の睡眠覚醒リズムに関する調査を行った結果、当初想定していなかった血圧と睡眠および活動に関して関連がみられたことから、縦断調査を行うにあたっての実施計画を変更する必要があったため。
|
今後の研究の推進方策 |
高齢者のみならず中高年を対象として、質の良い睡眠のための介入(ヨーガを含む)を検討し、腕時計型脈拍・加速度計を用いて評価していく予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
縦断研究を実施するにあたり必要とした経費を使用しなかったため次年度使用額が生じた。使用計画としては、2019年度に予定している介入研究において、物品費、被験者謝金等に使用予定である。
|