研究課題/領域番号 |
17K17509
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
田中 悠美 静岡県立大学, 看護学部, 助教 (00737819)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 要介護高齢者 / 自然排泄 / 訪問看護 / 看護実践モデル |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、要介護高齢者の自然排泄移行を支援する訪問看護介入を反映した看護実践モデルを開発し、その信頼性と妥当性を検討することである。 本研究において、自然排泄は、トイレ、ポータブルトイレ、尿便器といった排泄に使用する用具を用いて排尿、排便ができることと定義している。 本研究に先行して実施した調査では、訪問看護援助により、自然排泄が可能となった要介護高齢者の実際の事例から、訪問看護師の援助、自然排泄移行の影響要因を明らかにした。訪問看護師の援助は【要介護高齢者の排泄に関わる情報の把握とアセスメントをする】【便の性状を整え排便習慣をつくる】【訪問看護の時間にトイレでの排泄を誘導する】【トイレへの移動動作安定のためにリハビリを行う】【生活機能低下をもたらす健康状態をモニタリングする】の5つの焦点、自然排泄移行の影響要因は【要介護高齢者の行動変容を捉える】【家族のセルフケア機能を維持する】【多職種と連携する】の3つの焦点が抽出された。 今回は、要介護高齢者の自然排泄移行を支援する訪問看護実践モデルに含まれる具体的訪問看護援助項目を精選する。方法として、「看護介入分類(NIC)原書第6版」に掲載されている尿失禁ケア21項目、排尿管理17項目、排尿習慣訓練14項目、排便管理18項目、排便訓練16項目、便秘管理/糞便埋伏管理25項目の看護介入行動を基に、文献レビュー、本研究の先行調査の成果を反映し、在宅看護学研究者と討議の上、要介護高齢者の自然排泄移行を支援すると考えられる具体的な訪問看護援助項目をあげる。これを要介護高齢者の自然排泄移行を支援する訪問看護実践モデル素案とし、作成する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「看護介入分類(NIC)原書第6版」に掲載されている尿失禁ケア21項目、排尿管理17項目、排尿習慣訓練14項目、排便管理18項目、排便訓練16項目、便秘管理/糞便埋伏管理25項目の看護介入行動を基に、文献レビュー、本研究の先行調査の成果を反映し、看護介入行動の精選、表現の整理を行ったが、在宅看護学研究者との討議が不十分である。在宅看護学研究者とは討議のスケジュールを調整しており、平成30年8月までに素案を完成させることを目指す。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年8月までに要介護高齢者の自然排泄移行を支援する訪問看護実践モデル素案が完成することを予定している。素案の完成後、訪問看護のエキスパートである、訪問看護専門看護師、訪問看護認定看護師、訪問看護ステーション管理者、在宅看護学研究者 5 名に、要介護高齢者の自然排泄移行を支援する訪問 看護実践モデル素案の適切性を問う質問紙調査を実施し、量的に内容妥当性を検討する。専門的立場からの助言も依頼し、モデル素案の修正を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
国際学会への参加の他、国内学会に複数回参加の他、データ保存や分析に使用するパソコンや統計解析ソフトを購入し、概ね計画通りに使用した。次年度はデータ収集にかかる交通費や謝金、学会参加旅費として使用することを予定している。
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