研究課題/領域番号 |
17K17510
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
木戸 芳史 浜松医科大学, 医学部, 教授 (70610319)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 幻覚・妄想のための認知行動技法 / 精神科訪問看護 |
研究実績の概要 |
幻覚・妄想のための認知行動技法(Cognitive Behavioral techniques for psychosis; 以下CBt-p)は、実際には無いものをあるように感じる「幻覚」や、自己に結びついた誤りかつ強い確信であり、訂正することが難しい「妄想」に対して、クライエント自身がそれらの体験と上手に付き合うことができるようにするケア技法である。CBt-pは低強度認知行動療法の1つであり、看護師やコメディカルにも習得しやすく、クライエントへの侵襲も少ないケア方法であるが、本邦で実践するにあたっての研修マニュアルやプログラムが存在せず、その効果についても明らかにされていなかった。 本研究はこれまでに米国ノースオハイオ医科大学のHarry Sivec博士とBest Practices in Schizophrenia Treatment (BeST) Centerからの支援を得て「幻覚・妄想に対する認知行動技法」の日本語版研修マニュアルとクライエント用ワークブック(紙媒体)を開発した。このマニュアルとワークブックを用いて、精神科訪問看護利用者を対象とした対象群のない前後比較研究を実施してきたが、R2年度からは新型コロナウイルス感染症のパンデミックによって長期間にわたり対象者のリクルートと介入の中断があったが、R3年度末までに研究協力者(被験者)への介入がすべて終了した。今年度は、R3年度までに収集した6人のデータのデータクリーニングを行い、ケースシリーズとして分析を行う予定である。分析結果は投稿論文としてまとめ、学会発表及び論文投稿をする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究はこれまでCBt-pプログラム開発(翻訳及びローカライズ)を終え、対象群のない前後比較研究を実施してきた。R2年度からは新型コロナウイルス感染症のパンデミックによって長期間にわたり対象者のリクルートと介入の中断があったが、R3年度末までに研究協力者(被験者)への介入がすべて終了した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、R3年度末までに収集したデータをクリーニングし、ケースシリーズとして分析する予定である。分析結果は投稿論文としてまとめ、学会発表及び論文投稿をする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定では、データ収集に関わる経費及び被験者謝礼、学会発表に必要な経費及び投稿論文の投稿料として使用する予定であった。しかし新型コロナウイルス感染症の拡大に伴ってリクルートが遅れ、また介入も途中で止まることが何度もあり、当初予定していた成果の公表をすることができなかったことが、次年度使用額が発生した理由である。 今年度は、学会発表に必要な経費及び論文投稿の投稿料に使用する計画である。
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