本研究の目的は、人生の統合を支える看護援助モデルの構築に向けて、まず、特別養護老人ホームで暮らす認知症を有する高齢者の生きる支えを明らかにすることである。 特別養護老人ホームで暮らす認知症を有する高齢者を対象にインタビュー調査を実施した。分析結果より、特別養護老人ホームで暮らす認知症高齢者の生きる支えとして、「安心し過ごせる日常が保証された環境」、「老いる自分を容認する心」などの6つのカテゴリーが抽出された。これらより、認知症高齢者が生きる支えをもちながら自分らしく生きるためには、特別養護老人ホームが自分の老いを見つめながらも、最期まで安心して暮らせると感じられる場である必要性が示唆された。
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