本研究の目的は、アクションリサーチにより、要介護高齢者が強みを活かし社会貢献できる存在になるための支援方法を提案することである。要介護高齢者には「長い人生のなかで培った強み」と「要介護状態になったからこそ得た強み」がある。しかし、要介護状態になったことでその強みが十分に活かされていないと考える。要介護高齢者がサクセスフル・エイジングに向かえるよう看護職者が支援し、埋もれている強みを見つけ、社会貢献に導く必要がある。そのため、社会貢献を発掘する支援を研究者(私)がアクションリサーチで取り組み、その支援方法を提案する。 今年度は、アクションリサーチで社会貢献を意図した支援を行い、その支援過程のエピソード記述を作成し、エピソード記述にみえる支援の様相は何かの視点で分析した。その結果、支援の様相は、①<高齢者の困りごとの理解者となり、セルフケア力を生かす支援>、②<高齢者の過去を一緒に振り返り、高齢者自身の誇りや信念の意識化を促す支援>、③<高齢者が陰ながら一生懸命行っている他者への貢献に光を当て、価値を見出す支援>があった。
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