本研究の目的は、精神科病棟の保護室で隔離や身体拘束を受けている精神疾患患者に対して、精神科看護師が行動制限最小化に向けて行う共同意思決定プロセスを明らかにすることである。精神科看護師17名に面接調査を行い、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析した。結果として、看護師は患者の<精神状態の変動への予測困難>であるからこそ、<引き金刺激への敏感な反応具合の察知>に努め、【セルフケアの境界線の交渉】を行っていた。そして、看護師は<精神症状の悪化予防のための共同対処>、<開放観察時の不安要素への共同確認>を行い、患者の<目標達成に向けた擦り合わせ>を行っていた。
|