研究課題/領域番号 |
17K17521
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
桐山 啓一郎 朝日大学, 保健医療学部, 講師 (40790960)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 一般病棟 / 身体拘束 / 予防 / 早期解除 |
研究実績の概要 |
2018年度は2018年3月に収集した一般病棟における身体拘束の実態調査を記述統計処理し、関連学会の学術集会で公表した。一般病棟における身体拘束の実態としては、身体拘束されている患者の約33%が認知症・せん妄・精神疾患のいずれの診断も受けていなかった。診断を受けていないということは、適切な治療や看護が実践されていない可能性が考えられた。身体拘束を実施されている患者の疾患名としては、肺炎が第1位であった。肺炎の治療においては、対象者の体動を制限することは早期回復を妨げると考えられ、対象者にとっても不利益な現状が明らかになった。さらに、身体拘束は、90%以上が看護師の阪大で開始されていた。そのため、看護師に介入することで身体拘束の予防や早期解除が実現する可能性が高いと思われた。また、一般病棟では身体拘束解除のためのカンファレンスについて、毎日行っている場合、週に1回行っている場合、週に1回以下の頻度で行っている場合など開催頻度に差がみられた。身体拘束を解除するためには看護師間の検討が有効であることは先行研究で示唆されているが、その取り組みが行われていない実態が明らかになった。実態調査は研究全体の第1段階であり、早期に公表する必要性があったため、現在論文投稿中である。 一般病棟において身体拘束を予防・早期解除するための取り組みを専門看護師・認定看護師にインタビューするという研究の第2段階は、2018年度に所属施設の倫理審査を受審し、2019年度に実施予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予定では2018年度中に第2段階である一般病棟で身体拘束予防・早期解除に関する取り組みについてのインタビューを対象者数名に実施予定であったが、2019年3月末時点で未取得である。理由は、所属施設での倫理審査に時間を要したことが挙げられる。インタビュー調査は対象者の承諾が得られれば大幅な遅れは生じないと考えているため、今年度で遅れを補う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は予定通り2019年度中にインタビュー調査を終え、データの分析を行う予定である。データ分析にあたり、助言を受ける研究者も確保しており、分析は予定通り終えられると思われる。昨年度報告の段階で検討中であった分析ソフトの問題等は統計処理に精通した研究者のスーパーバイズなどで解決した。
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次年度使用額が生じた理由 |
2018年度中にインタビュー調査のための旅費を計上していたが、インタビュー調査を実施できず、次年度に行う予定のため、繰り越した。
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