研究課題
若手研究(B)
高齢腹膜透析患者における身体機能と認知機能の低下は、腹膜透析の適正管理の障害を通じて、有害事象の発生に影響する可能性がある。そこで本研究は、高齢の腹膜透析患者の身体機能と認知機能の測定と、有害事象の観察を前向きに行った結果、低体力、低栄養、認知機能の低下は、出口部感染、入院、死亡の有意なリスクであることが示された。また認知機能が低下している症例は、介助によって出口部感染のリスクが低減することが示唆された。高齢腹膜透析患者が継続して療養するためには、体力、栄養、認知機能のケアが必要である。
腎臓リハビリテーション
本研究によって、高齢の腹膜透析患者が継続して在宅療養を継続するためには、体力、栄養、認知機能を定期的に評価し、ケアする必要性が示された。低体力、低栄養、認知機能低下は、いずれも簡便に測定が可能であり、また治療介入によって改善可能な項目である。高齢腹膜透析患者の低体力、低栄養、認知機能低下を早期に把握し、介入することで、出口部感染や入院、死亡などのリスクを低減できる可能性がある。