本研究ではWellness Recovery Action Plan(WRAP)のプランのデータを収集することで、WRAPのプラン共有データベースを作成し、精神疾患患者などが活用できる情報リソースを開発することを目的とした。全国6か所にてWRAPクラスを開催し、WRAPのプランのデータ収集をおこなった。また、WRAPファシリテーター有資格者へのアンケート調査をおこない、WRAPのプランのデータ収集をおこなった。WRAPのプランデータにおいては、元気に役立つ道具箱(wellness tool)というリカバリーするためのツールのみならず、WRAP の各種サインとプラン(日常生活管理プラン、引き金に対応するプラン、注意サインに対応するプラン、調子が悪くなっている時のプラン、クライシスプラン、クライシスを脱した時のプラン)ごとに集計した。これにより、WRAPのプラン共有データベースでは各種サインとプランごとに、どのようなサインの時にWRAPのプランでリカバリーしているかを整理した。元気に役立つ道具箱は「食事」や「睡眠」に関するものが多く挙げられており、その人らしさを保つためにも重要なライフスタイルであると考えられる。また、どのプランにおいても人間関係に関わるものがサインとして挙げられており、他者との関わり方がリカバリーに大きく影響していることが考えられた。WRAPのプラン共有データベースはwebページに各種WRAPのプランの解説も記載し、データをダウンロードできるため、webページを見ながら、WRAPのプランを作成することができるようになっている。
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