高齢人工股関節術後患者の転倒予防支援プログラムの開発

2020 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 17K17528
• 研究機関: 大阪医科大学
• 研究代表者: 佐野 かおり 大阪医科大学, 看護学部, 講師 (60399251)
• 研究期間 (年度): 2017-04-01 – 2022-03-31
• キーワード: 人工股関節 / 高齢者 / 転倒 / 看護学 / リハビリテーション / 運動器疾患

研究実績の概要

本研究は、今後増加することが予測される高齢人工股関節置換術後患者の転倒について明らかにすることで、人工股関節の特性を考慮した転倒予防介入を構築することを目的としている。
2020年度は、すでに実施したインタビュー調査および生物学的・環境的リスク、活動状況・退院時に受けた退院指導の内容を問う質問紙を用いてアンケート調査を実施し、人工股関節置換術後患者の転倒要因を明らかにし、転倒予防を目的とした介入方法の検討を予定していた。本年度の学会参加により、退院指導の内容は施設によって異なることや手術方法が異なる状況が継続されていることが確認された。そのため、退院指導内容および手術方法の多様性を考慮した退院後の転倒の特徴について検討するため、再度質問紙項目の検討を行い、退院指導内容および手術方法についての項目を追加した。アンケート調査の実施に際して、コロナ禍のため研究者の移動が困難であり、患者会活動が中止となったため調査協力依頼ができなかった。そのため、今後状況が継続されることもふまえ、アンケート調査の実施方法について再検討をおこなった。
また、文献検討および患者の退院後の受診行動を考慮し、人工関節の特性および対象患者が介入を受けやすい転倒予防活動を実施するためには、患者の転倒予防介入実施の場の調整（病院外来・地域）や現在地域や病院等で実施されている転倒予防に関する活動を活用した介入方法（知識・情報の提供、運動プログラムの実施）および内容の検討が必要であることを確認した。

現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウィルス感染拡大のため、医療機関および患者会等への調査協力依頼が進まず、調査研究の実施ができなかった。

今後の研究の推進方策

患者会への質問紙調査依頼を進め、高齢人工股関節置換術後患者の転倒状況の特徴および関連する要因について明らかにする。
これら面接調査・質問紙調査の結果をもとに人工関節置換術後高齢者の転倒予防に必要な介入について検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

実施予定としていた質問紙調査が実施できなかったため、質問紙調査に必要となる旅費・郵送費・印刷費などにかかる経費使用がなく、期間延長を行い、研究費を次年度に使用することとした。次年度は調査依頼時の通信費および質問紙調査にかかる旅費・郵送費・印刷費に使用する。また、データ分析・管理に必要な物品の購入に使用予定である。