研究課題/領域番号 |
17K17534
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研究機関 | 公益財団法人神経研究所 |
研究代表者 |
萱場 桃子 公益財団法人神経研究所, 研究部, 研究員 (20759055)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | クロノタイプ / 大学生 / 睡眠 / 食行動 / 学業 / 日中の眠気 / 睡眠不足 |
研究実績の概要 |
本研究は、将来、交代制勤務に従事する者が多い看護学生の集団を対象に、睡眠やエネルギー代謝の実態を明らかにすることを目的としている。 1.過眠症状を呈し睡眠専門外来を受診した看護学生の睡眠実態に関する研究 看護学生に特有の睡眠問題を明らかにするために、睡眠専門外来を受診した大学生・専門学校生である患者194名を対象に、診療録及び自記入式の質問票から、睡眠習慣・主観的な日中の眠気について情報を収集し、看護学生(15名)と他科の同年代の学生(179名)とを比較した。その結果、看護学生では睡眠不足症候群の者が多く、日中の眠気も重度であることが示唆された。 2.大学生を対象としたクロノタイプ・睡眠・食事に関する横断的研究 大学8校(うち看護学科4校)において、質問紙調査を実施し、1000名以上の大学生から回答を得た。調査項目は、学生の特性(通学時間、一人暮らしの有無、アルバイト、部活動など)、大学の特性(授業開始時刻、授業終了時刻など)、朝型夜型質問紙によるクロノタイプ、睡眠習慣、日中また夜間の睡眠関連症状、食習慣や食行動、体重・BMI、健康関連QOL、学業への影響(欠席・遅刻・授業中の居眠り)とした。 得られた結果を集計し、クロノタイプの分布や睡眠習慣の実態、睡眠問題の有症割合、朝食欠食など食行動や体重・BMI、学業、健康関連QOLとの関連について分析を行い、今後、学会や学会誌での公表を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
睡眠専門外来を受診した看護学生を対象とした研究が完了した。 また、大学生を対象とした横断的調査についても、データ収集が完了した。 当初は看護大学生のみを対象に計画していたが、看護学科以外の大学生についても調査を実施することができた。それにより、大学生に共通して起こる睡眠問題やその関連要因の把握、また、看護学生を対象にした研究においては対照群として比較することが可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
横断的な質問紙調査により明らかになった睡眠実態とその関連要因について、追跡調査を実施し、因果関係について検討する予定である。 また、質問紙調査では主観的な睡眠についてのデータしか得られないため、横断調査に参加した一部の学生を対象に、睡眠の客観的評価(睡眠時脳波測定、日中の眠気測定、アクチグラフによる睡眠習慣や活動量など)を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
被験者謝金としての使用を予定していたが、謝金が発生する質問紙調査・睡眠測定調査は、調査協力施設の都合また実験機器の準備のため、開始時期が2019年5月へと変更になった。そのため、次年度に被験者謝金として使用する予定である。 また、次年度はこれまでの研究成果の発表も予定しており、旅費や論文投稿費に使用する予定である。
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