研究課題/領域番号 |
17K17534
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研究機関 | 公益財団法人神経研究所 |
研究代表者 |
萱場 桃子 公益財団法人神経研究所, 研究部, 研究員 (20759055)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 看護大学生 / クロノタイプ / 睡眠 / 食生活 / 学業 |
研究実績の概要 |
本研究は、将来、交代制勤務に従事する者が多い看護学生の集団を対象に、睡眠やエネルギー代謝の実態を明らかにすることを目的としている。 昨年度までに実施した横断研究に加え、本年度は、看護大学生を対象に縦断的検討を行った。当初は授業期間と実習期間の比較等を計画していたが、新型コロナウイルス感染拡大による非常事態宣言が発出されたため、社会生活の変化が看護大学生の睡眠・覚醒リズム後退へ及ぼす影響を検討した。追跡調査への協力が得られた1校の看護学科に所属する1~4年生全員(計504名)に学内ネットワークシステムを通じてウェブ調査の案内を送付し、307名から回答が得られた。通学に費やす時間がなくなる分、全ての学年で睡眠不足は解消傾向にあるものの、オンライン授業が行われていた1~3年生では就床・起床時刻が遅くなっており、自由な時間に視聴できるオンデマンド配信が睡眠覚醒リズム後退を助長させている可能性が示唆された。 また、看護大学生5名を対象に自宅での睡眠計測を実施した。一週間、睡眠日誌、睡眠センサマット、アクチグラフ、照度計を用いて主観的また客観的に睡眠スケジュール・寝室の照度を記録した。調査2日目の夜には簡易脳波計による脳波測定を行った。起床時刻と睡眠時間は始業時刻と正の相関関係を示すことが客観的に確認された。始業時刻が早いと、生活リズムの後退は予防できると考えられるが、反対に睡眠不足が助長される恐れもある。 今後、看護大学生のクロノタイプ別に睡眠とエネルギー代謝の実態について、さらなる検討を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
横断的な質問紙調査に加え、縦断調査、また客観的な指標を用いた睡眠測定調査を実施することができた。新型コロナウイルス感染拡大により、計画の一部を変更したが、休校・オンライン授業が看護大学生に及ぼす影響を検討することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度までの対象者をさらに追跡し、縦断調査を実施する予定である。 また、客観的な指標を用いた睡眠測定についても、対象者数を増やし、クロノタイプ別に睡眠・エネルギー代謝に関連した指標の評価を引き続き行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
睡眠測定調査にかかる費用を計上していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、測定調査の実施が延期されたため、翌年度に繰り越すこととした。
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