本研究の目的は、30歳代男性の生活習慣病予防のためのライフストーリーを用いた対話型健康学習支援ツールの開発と検証である。子育てや仕事に忙しい世代である30歳代男性は、主体的に自らの健康について考え、生活習慣病予防のための行動をとることは難しいと考えられる。また保健指導等の支援を受ける機会も少なく、その時間をを確保することも難しいことが想定される。30歳代男性が、短時間かつ少ない回数の支援を受けることにより、自ら主体的に健康に関する学習を行い、予防行動をとるためには、ライフストーリーを用いた対話を通じた支援の有効性が示唆されている。本研究では、ライフストーリーを用いた、対話を通じ30歳代男性の健康学習サイクルの進展を促す支援指針を元に企業や市町村等の経験年数の多様な保健指導実施者が使用可能な汎用性の高い健康学習支援ツールを開発し、実用性を検証する。 本年度は、30歳代男性の生活習慣病予防のためのライフストーリーを用いた対話型学習支援ツールの作成を通して明らかになった課題である保健指導の評価についてのスコーピングレビューに取り組んだ。スコーピングレビューにより得られた結果から、先行研究で得られた保健指導のデータと保健指導者のインタビューデータ等の再分析を行った。それらの結果から、対話型学習支援ツールの修正を行った。
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