主任介護支援専門員は豊富な経験からケアマネジメントの質の向上が期待される一方で、その豊富な経験がケアマネジメントにどの程度影響するのかは明確ではない。本研究では、ケアマネジメントにおいて重要な過程である「サービス利用者の情報収集」に着目し、主任介護支援専門員と介護支援専門員における情報収集時の視線行動の差異を明らかにした。 平成29・30年度研究計画の「A: 高齢者ケアのマネジメントに関する文献検討および事例調査」と「B: 国内外の視線計測に関する文献検討」は、計画通りに完遂することができた。「C:介護支援専門員の情報収集時の視線計測」は、視線計測実験に用いる実験機器を選定した。平成31年度は、視線計測実験を実施する予定であったが、産前産後休暇および育児休業の取得により、当初計画通りに実施できなかった。令和2および3年度はCOVID-19の感染拡大のため、研究対象者である介護支援専門員への負担を考慮して視線計測実験および半構造化面接の実施を見送った。令和4年度は、引き続きCOVID-19の感染拡大による影響を受けたが、研究対象者である介護支援専門員への負担を考慮しながら視線計測実験を実施した。スクリーンベースタイプの軽量かつ小型の視線計測装置を用いて、視線の停留点(注視点)、視線の停留時間(注視時間)、視線の停留回数(注視回数)を分析し、情報収集時の眼球運動の特徴を明確にした。今後は、それらの研究結果を早急にまとめて学会にて発表する。
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