研究課題/領域番号 |
17K17538
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
水谷 真由美 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (10756729)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ポジティブデビアンス / 公衆衛生看護学 / 国際協力 / インドネシア / 生活習慣病 / 高血圧 / 健康増進 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、高血圧が関連する生活習慣病(脳血管疾患等)による死亡が急増し、高血圧予防・健康増進対策が急務であるインドネシアにおいて、地理・経済・教育的に不利な状況にあるインドネシア農村部の中年期女性の中でも、健康行動(血圧測定、減塩、運動等)を実践している人(ポジティブデビアンス:Positive deviance)に着目し、地域で入手可能な資源や成功要因によって実現可能な高血圧予防・健康増進アプローチ(看護介入)を開発し、実用可能性を評価することである。 平成29 年度は、以下を実施した。 1.概念分析:インドネシア農村部において、不利な状況下においても健康行動を実践している女性(ポジティブデビアンス)を特定するにあたり、ポジティブデビアンスを用いた研究が近年増加していることから、まず既存の文献から「ポジティブデビアンス」の概念がどのように用いられているのかについて明らかにする必要があると考え、概念分析を行った。概念分析の方法は、医学・看護学の論文を含む文献データベースを検索し、近年10年に発行された論文で、地域の人々の健康増進に着目したポジティブデビアンスの概念を含む約30文献を対象とした。分析の結果、その先行要件、属性、帰結を明らかにした。結果については学術誌への投稿を予定している。 2.調査計画検討:概念分析の結果をふまえ、インドネシア農村部での調査を進めるため、インドネシアの研究者と調査計画を検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
インドネシア農村部において調査を行う前に、ポジティブデビアンスを用いた研究が近年増加していることから、「ポジティブデビアンス」の概念がどのように用いられているのかについて概念分析を行う必要があったため。概念分析の結果をふまえ、平成30年度にインドネシアでの調査を実施する予定であり、その計画をインドネシア研究者と検討しており、大幅な遅れにはならないと予測する。
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今後の研究の推進方策 |
ポジティブデビアンスの概念分析の後、当初の計画に従い、以下の研究目標の通りに進める。 1) インドネシア農村部の不利な状況下において、高血圧罹患のリスクがある中年期の中で、健康行動を実践している女性(ポジティブデビアンス)を特定(Determine)する。 2) 1)で特定したポジティブデビアンスの健康行動実践を可能にした個人・社会的要因を探索し、発見(Discover)する。 3) 2)で発見した結果から、インドネシア農村部の中年期女性にとって実現可能な高血圧予防・健康増進アプローチ(看護介入)を開発(Develop)し、その実用可能性を評価(Discern)する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画では、平成29年度にインドネシアでの調査を予定していたが、まず既存の研究からポジティブデビアンスについての概念分析を行う必要があり、インドネシアでの調査を行わなかったため。概念分析の結果をふまえ、平成30年度にインドネシアでの調査を実施する予定であり、その調査費として使用する予定である。
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