自治体における母子健康手帳交付の場は、妊婦が保健師等と出会う場となっている。母子健康手帳交付の場で妊婦に対応した窓口当番保健師が支援の必要性のある妊婦を把握し、地区を担当している保健師へつなぐことで、必要な妊婦支援を早期に開始することができると考える。そこで本研究では、母子健康手帳交付時の母子健康手帳交付の実態と、窓口当番保健師から地区担当保健師への引き継ぎのプロセスを明らかにすることを目的した。 2019年度は、19市町村の保健師へインタビューしたデータを分類し集計した。A県における母子健康手帳交付面談の実態として、1)母子手帳交付面談時に使用する書類、2)母子手帳交付窓口の面談場所、面談体制の検討を行い、成果発表を行った。特に母子手帳交付時の面談体制においては、19市町村の面談体制をパターン別に分類し、事務職も関わるパターン、保健師等の専門職のみが関わるパターン、保健師等の専門職と栄養士が関わるパターンの大きく3つに分類した。母子健康手帳交付面談で把握した妊婦を地区担当保健師へ引継ぐ基準と方法については、今回調査した全ての自治体で母子手帳交付から支援が必要な妊婦を把握し、母子手帳交付面談者から地区担当保健師へ引継ぎが行われ、継続支援ができる体制を整えていた。また、母子手帳交付時に要支援妊婦を把握するための方法は混在しており、各自治体ではそれぞれの自治体に合ったスクリーニング方法で地区担当保健師へ引継ぐかどうかを判断していた。地区担当保健師への引継ぎ方法では、要支援妊婦に関しては全ての自治体で会議・ミーティング等で情報を共有するための引継ぎを行っていた。以上の研究結果は、研究成果報告書を作成し、沖縄県公衆衛生学会、日本公衆衛生看護学会で発表した。また、沖縄県公衆衛生学会誌へ論文投稿し、掲載予定である。
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