研究課題/領域番号 |
17K17542
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
水口 和香子 旭川医科大学, 医学部, 助教 (20781462)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | おっくう / 地域高齢者 / 外出 |
研究実績の概要 |
本研究の最終目的は、介護保険未認定であるおっくうと感じている地域高齢者の閉じこもりに至る前の予防支援策を開発することである。 本年度の目的は、おっくうと感じている高齢者の外出についての実態を明らかにすることであった。対象者は、一地方都市在住の介護保険未認定である75~84歳の地域住民1,000名とした。年齢の上限を設定した理由として、2点挙げる。1点目として、本研究は2年間協力いただく郵送調査であり、高齢になるにつれ、研究協力への負担が多くなることが予測されること、2点目は比較的健康な状態の対象者の実態を把握するためである。先行文献においても65~85歳未満を対象としている研究が散見されていた。 調査方法としては、対象者へ直接もしくは老人クラブ会長を通して、本研究の趣旨・倫理的配慮事項を文書と口頭で説明し、協力依頼を行った。質問調査票は、外出頻度、社会活動状況(内容・活動頻度)、平成29~30年度の質的研究により得られた知見である「外出についての思いや考え」、対象者の属性、身体的要因、心理的要因、社会・環境要因で構成した。倫理的配慮として、所属機関の倫理委員会の承認を得た。 結果、研究協力の同意をいただいた559名(回収率55.9%)から調査票を回収することができた。現在、データ入力は終了しており、データ分析を実施している。引き続き、データ分析をすすめ、本年度の目的を達成させると共に次年度の研究に着手し、その結果を基に地域高齢者へより早い段階での介護予防介入ができるよう、閉じこもり予防支援策を開発する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成30年度から実施予定であった量的研究の基盤となる平成29年度の面接調査が遅れた。具体的には、平成29年度面接調査対象者数が目標の半分に満たず、より実態を明らかにするため、平成30年度も面接調査を実施した結果、平成29年度の研究目的が達成された。現在、この研究結果を量的研究の調査項目に反映させ、1年遅れでの縦断研究を実施しており、ベースライン調査が終了している。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画が1年遅れになっていることから、令和2年度は研究を延長し、以下の研究を行う。 令和元年度の郵送調査で、令和2年度の研究への協力に同意を得ている回答者全員に令和元年度と同様の内容で郵送調査を実施し、おっくうと感じている地域高齢者の外出についての思いや考え・外出頻度・種類別の社会活動状況の変化を明らかにする。 また、この郵送調査結果を基に、おっくうと感じている地域高齢者への閉じこもり予防支援内容や方法について検討し、予防支援策を開発していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究が当初より1年遅れたため、次年度使用額が生じた。具体的には、平成29年度目標とする研究対象者数の確保が難しかったことから、平成30年度も平成29年度と同様の研究対象者を募り、面接調査を実施した。そのため、研究が1年遅れになり、令和元年度は当初平成30年度実施予定であった縦断研究のベースライン調査を行った。 令和2年度は、当初令和元年度に予定していた郵送調査や閉じこもり予防支援策の開発に関する費用(消耗品費・旅費・人件費・その他)を計画的に使用していく。
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