研究課題/領域番号 |
17K17545
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
玉川 あゆみ 滋賀県立大学, 人間看護学部, 講師 (70732593)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 発達障害児 / 自閉スペクトラム症児 / 耳鼻咽喉科診療 / 外来受診 / ケアガイド |
研究実績の概要 |
本研究では、発達障害児が外来受診をした時に、看護師が親と協働して看護介入できる協働看護支援システムの開発を目的としている。発達障害児は、障害特性により、感覚の過敏さやコミュニケーションの苦手さがある。そのため、外来受診時に不安が強くなりパニックを起こしやすい。国外では、親と看護師が協働して、子どもの障害特性に合わせた看護介入が実施されることで、パニックを引き起こしにくいことが報告されている。しかし、未だ日本では、その支援が整っていない。このことから、親と看護師が協働し、発達障害児が直面している問題に対して必要な看護介入ができる支援システムの開発に取り組むことにした。 平成29-30年は、発達障害児の外来受診に関する国内外の文献検討を進めた。その中で、発達障害児の親は、特に耳鼻咽喉科と歯科の受診に困難を感じていることが明らかになった。歯科の分野では、障害者歯科が早くから導入され、支援が実施されてきているが、耳鼻咽喉科外来での支援に関する報告は見当たらなかった。そのため、発達障害児が受診に困難を抱えている耳鼻咽喉科に焦点化し、まずはケアガイドを作成することにした。 令和1年度は、発達障害児の耳鼻咽喉科診療に関するケアガイドを作成するために、先駆的に支援が実施されている歯科診療における支援に関する文献検討を実施した。 その結果を枠組みに、耳鼻咽喉科診療における問題と支援に関するインタビュー調査をすすめた。 令和2年度は、耳鼻咽喉科診療における問題のと支援についてのインタビューを引き続き実施した。コロナウイルス感染症の拡大により、調査の継続が難しく、一定数でインタビューを終了した。その後、耳鼻咽喉科診療において医療関係者が捉える問題と支援方法を明らかにし、その結果を基盤にケアモデル(案)を作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
より良いシステムの開発に向けて、研究内容を検討するために時間を要したが、現在はおおむね順調に研究が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
計画では、作成したケアガイドの臨床適用可能性の評価を実施する予定であったが、コロナウイルス感染症拡大に伴い、臨床現場での研究の受け入れが難しい状況が続いている。そのため、まずは、ケアガイドの適切性の評価を実施することにした。 現在、作成したケアガイドの適切性の評価を行うために、インタビュー調査の依頼中である。今後、インタビュー調査を実施し、結果によりケアガイド(案)を修正・洗練させ、ケアガイドを完成させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗状況が遅れていたことと、コロナウイルス感染症の拡大に伴い、予定していたインタビューの実施ができなくなってしまった。そのため、それにかかる旅費、謝礼、分析にかかる費用などの使用がなかったことや、予定していた学会の参加ができなくなってしまったことに関する費用の使用がなかったため、今年度使用分を次年度使用分に繰り越した。 次年度は、論文の投稿や、インタビュー調査にかかる費用が必要となるため、それらの費用に充てる予定である。
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