研究課題/領域番号 |
17K17551
|
研究機関 | 京都光華女子大学 |
研究代表者 |
山下 舞琴 京都光華女子大学, 健康科学部, 助教 (30757183)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 睡眠 / 糖尿病 / 生体リズム |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、生体リズムを整える糖尿病患者への介入が、新たな生活習慣を獲得させ、糖尿病の改善に寄与できるかを明らかにすることである。新たな生活習慣を獲得させるために、活動と睡眠の可視化を通して、対象者が生活習慣の問題と改善策を自分で見出すことを目指す。 平成29年度の当初予定では、介入プログラム(案)を作成し、それをもとに少人数を対象としたプレ介入を行うことを計画していた。しかし、平成28年度に地域住民1600人を対象にして行った「睡眠(生体リズム)と糖尿病の質問紙調査」の結果、糖尿病群は睡眠の質が悪い傾向があることに加え、睡眠そのものや生活習慣に対する意識の個体差が大きいことも明らかになった。個体差が大きく、それぞれに合わせた介入プログラムを作成するのは困難であるため、実態に即した介入プログラム作成のために、事例検討が必要であると判断した。 そこで、平成29年度は、糖尿病予備群(HbA1c5.6~6.4%)を中心とした地域住民20名を対象に、睡眠と生活習慣の実態を、主観と客観の両方の視点で分析を行うために、実態調査を行った。具体的には、アクチウォッチ(活動量計)とおんどとり(小型温湿度計)を用いた機器測定を行い、その結果をもとに1時間程度の面談を実施した。客観的な測定結果と、主観的な面談での発言内容を合わせて、分析を行った。 対象者の平均年齢は68.6±4.5歳、HbA1cは6.1±0.5%であった。アクチウォッチで測定した睡眠効率の平均は83.8±5.4%であり、約半数が85%以下であったが、実際に睡眠による休息が取れていなかったのは4分の1程度の人数にとどまった。現在、事例検討の途中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、平成29年度のうちに介入プログラム案を少人数に施行し、平成30年度から本介入を行っていく予定であったが、より実態に即したプログラムを考案するために、平成29年度は少数例の事例検討(客観的な測定と面談)を行った。また、平成29年度実態調査の事例検討に予定より大幅に時間を要しており、当初の計画に対して遅れが生じている。 加えて、京丹後市で研究継続が困難になる可能性があり、研究対象地域および対象者の再調整が必要な状況が発生している。
|
今後の研究の推進方策 |
研究対象地域の再調整を最優先して行う。そのうえで、平成30年度に介入プログラム案を作成し、プレ介入を実施できるよう調整予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初計画では、平成29年度にプレ介入を施行する予定であり、そのための謝金や運用費として計上していた。しかし実際には、平成29年度は実態調査と事例検討を行ったため、プレ介入を実施できなかった。そのため、そのプレ介入のための謝金や運用費として計上した金額が余る結果となった。 平成30年度には、本介入の前にプレ介入を実施予定であり、繰り越しした金額をそれに充当予定である。
|