本研究は、生体リズムを整える糖尿病患者への介入が、新たな生活習慣を獲得させ、糖尿病の改善に寄与できるかを明らかにすることを目的に実施している。新たな生活習慣を獲得させるために、活動と睡眠の可視化を通して、対象者が生活習慣の問題と改善策を自分で見出すことを目指す。
本研究はもともと、対面での介入を想定して計画をたてていた。2017年度には予備調査を行い、2018年度には2019年度に介入実施できるように関係機関と調整準備を進めてきた。しかし、2019年度に自身の出産育児休暇の取得、さらには2020年度には新型コロナウイルスの影響も相まって研究中断を余儀なくされた。介入を行うために研究協力をお願いしていた機関も、介入が困難となり、研究実施機関を探し直す必要性にせまられた。 2021年度にようやく研究を再開することができ、オンラインで介入ができるような体制づくりに着手した。その一環として、富士通(株)に依頼し、生活リズム可視化アプリケーションを開発した。睡眠日誌の記入が必要なく、web上で毎日質問に回答すると、睡眠日誌と同様の生活リズムが可視化された図表が表示される仕組みである。 2022年度は、その生活リズム可視化アプリケーションを用いて実際の介入を実施する予定だった。しかし、企業で介入実施できる機関が見つからなかったことから、急きょ対象者を健康成人に切り替え、大学生を対象に睡眠覚醒アプリケーションを用いた介入の実施可否について検証実験を行った。
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