研究課題/領域番号 |
17K17552
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研究機関 | 梅花女子大学 |
研究代表者 |
西田 大介 梅花女子大学, 看護保健学部, 助教 (80783729)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 自殺未遂者 / 地域 / 支援 / 再企図 / 保健所 |
研究実績の概要 |
前年度までに実施済みであった、救急告示病院と連携し自殺未遂者支援を行っている保健所の保健師や精神保健福祉士、臨床心理士へのインタビュー調査について分析を行った。保健所が支援している自殺未遂者は、薬物療法を中心とした外来診療のみでは解決しない悩みや対人関係の困難を抱えた人、孤立してSOSを出さず支援を求めない人、認められず育ち、家族関係が悪いといった、対人関係が困難で孤立した人であった。また、保健所が行っている支援内容は,諦めないで関わることでSOSをキャッチしながら支援し,家族への支援を行い未遂者の家庭での居場所づくりをしていた。そして、経験の共有によるチームアプローチの強化により,支援方法を共有し,地域の様々な支援機関が協働してチームアプローチをしていたことが明らかになった。自殺未遂者支援は、地域でも広がりを見せているが、地域で支援する自殺未遂者の特徴や支援内容については、ほとんど明らかになっておらず、今回の研究結果は、地域での効果的な自殺未遂者支援につながることが期待される。 インタビュー結果を受けて、量的な側面からも自殺未遂者の特徴と支援内容を明らかにするため、自殺未遂者を支援している保健所に実際に支援した自殺未遂者107名の基本属性と自殺未遂時の概要、電話や面接、訪問といった支援内容や支援開始後の再企図の状況について個人が識別できない形式でデータ提供をしてもらい分析を行った。分析した結果について、現在、論文として作成中の段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルスの流行により、研究計画が遅れている。研究対象者が保健所や市町村保健師が対象であり、保健師は新型コロナウイルスの対応に追われ、インタビューやディスカッションなどの研究協力が困難な状況のなため、遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
現在も新型コロナウイルスの流行が続いており、新型コロナウイルスの対応を行っている保健師の研究協力は難しい状況が続いている。そのため、研究の手法を一部変更して、保健師の負担が少ない形で、質問紙調査を実施し、当初の研究目的が達成されるように計画をしている。 2020年度までに実施した研究結果と、2021年度予定している質問紙調査の結果から、自殺未遂者支援を行う保健師の支援プログラムについて明らかにしていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの流行により、当初予定していた、調査対象地域の現地までの旅費や学会発表の中止による旅費、参加費の使用が無くなった。 2021年度は研究目的が達成されるように、リモート環境整備に対する費用、分析のためのソフトの費用、質問紙調査にかかる費用、事務費用で使用する予定である。
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