高山雪田環境の草本5種を対象とした比較研究により、種特異的な生活史特性の違いが、雪解け傾度に沿った形質変異や遺伝的集団構造に与える影響を調べた。野外調査および長期モニタリングデータの解析の結果、開花のための温度要求性が高い種ほど、雪解けの遅い場所では、開花フェノロジーが早くなり、開花個体のサイズや花数が減少する傾向が顕著であった。景観スケールでの遺伝的集団構造を明らかにするため、大面積調査区において高密度で採集したサンプルを用いて、次世代シーケンサーによるマイクロサテライト解析を行った。大規模ジェノタイピングのためのソフトウェア「massgenotyping」を開発した。
|