2016年8月に発生した北海道豪雨災害では,橋台背面盛土の浸食・流失による被害が顕在化した.本研究では,流水作用時における橋台背面盛土の基礎的な侵食過程を観察するために開水路実験を行った.また,ジオシンセティックス材料の使用を想定した対策工についても模型実験を行った.一連の水理模型実験から,模型盛土の侵食は橋台と盛土の境界部で発生して橋台内部へ侵食が進行した.また,今回の実験で提案した2つの対策工では,道路路面の陥没は発生しなかった.このことから,河川増水による橋台背面盛土の侵食・流失に対する粘り強い対策工として,ジオシンセティックス材料の使用が有用であることがわかった.
|