本研究では,応用行動分析に基づくティーチャートレーニングを,保育学生を対象に実施し,以下の3点が明らかとなった。 第一に,介入の事前事後比較から,応用行動分析に関する知識と,不適切な行動の無視スキルの向上が示された。第二に,2年間の縦断調査から,応用行動分析に関する知識と,不適切な行動を無視するスキルが維持されていた。第三に,面接調査を通じて,介入の結果,実習中に子どもの意欲や行動,自分自身の感情や行動に肯定的な変化が経験され,ほめる以外のスキルは実践に難しさを感じていたことが示された。加えて,ティーチャートレーニングの効果指標を新たに作成し,その因子構造,信頼性・妥当性を確認した。
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