本研究では,純鉄およびMn,Mo,Crを添加させた合金において,浸窒処理により窒素を添加した窒素オーステナイトを得た後,α+γ二相域においてα変態させ、αの形態,母相との結晶方位関係,α/γ界面における元素分配挙動を調査した. 変態駆動力の変化に伴い,旧オーステナイト粒界からフィルム状のAFおよび針状のWFの異なる二種類の形態のαが生成した.AFは隣接する母相の内,一方とK-S関係に近い方位を持ち K-S関係を持たない側に成長した.WFは母相とK-S関係を有していた.Mn,Moを添加するとαの変態速度が遅れ,Cr添加によりCrNの相界面析出を伴いながらα変態が進行することが明らかとなった.
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