研究課題
マイクロサテライトを対象としたインピュテーション手法としてBeagle version 4.1を用いる方法が提案されているが、明示的にハプロタイプ間の遺伝子系図情報を用いた手法の方が高いインピュテーション性能を得られることが予想される。そこで、本年度は周辺のSNP情報から得られた遺伝子系図情報からマイクロサテライトのリピート数にステップワイズモデルを適用しマイクロサテライトの多型を推定する手法を開発した。開発した手法では遺伝子系図情報の精度が高いほど高い性能が得られることが予想されるため、ヒトY染色体について擬似常染色体領域や自己との組み換えが起こる可能性が高い回文領域を除外する形で高精度に推定された遺伝子系図情報を用いることで開発手法におけるインピュテーション精度の検証を進めている。また、日本人におけるマイクロサテライトの多型情報を得るため、東北メディカル・メガバンクプロジェクトでリクルートされた1,070人の全ゲノムシークエンスデータに対してマイクロサテライト変異検出手法であるlobSTRを用いて網羅的なマイクロサテライトにおける多型の検出を進めてきた。法医学において広く用いられている23座位について異なる日本人集団に対してキャピラリー電気泳動法により遺伝子型タイピングされた結果との比較検証を行っており、本年度これら検証内容を含む成果について論文を出版した。上記と併行して東北メディカル・メガバンクプロジェクトでリクルートされた約1万人のSNPアレイデータについて関連解析を目的としたデータ整備を進めており、SNPを対象として日焼けのしやすさに対するゲノムワイド関連解析を行った。その結果、同定された皮膚、虹彩、髪における色素の生成に関連した遺伝子上の変異などについて論文としてまとめており、マイクロサテライトの多型についても関連解析を目的とした整備を進めている。
すべて 2018
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)
Heliyon
巻: 4 ページ: 1 - 19
10.1016/j.heliyon.2018.e00625