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2019 年度 実績報告書

自律飛行ドローンを用いた計測データ駆動型の非定常環境流動計測システムに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K17592
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

三坂 孝志  国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (20645139)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードデータ同化 / 可観測性グラム行列 / 最適計測 / 計測感度
研究実績の概要

本研究ではデータ同化システムから得られる計測データの感度(重要度)情報を用いて統計的に尤もらしい状態推定を行うための最適計測アルゴリズムを,ドローンによる局所環境流動計測システムに融合して,データ駆動型の非定常環境流動計測システムの研究を行い,実環境における限られた計測の価値を最大化する手法を確立することを最終的な目標としている.本研究では特に最適計測のデータ同化アルゴリズム検討と数値実験に注力している.

本年度は可観測性グラム行列による観測位置の評価をより複雑な対象に適用することを目的として,メソスケールの気象場における検討を行った.可観測性グラム行列の固有値の大きな領域で計測を行うことでデータ同化後の流れ場の誤差が減少し,また,固有値の大きさと誤差の減少具合に相関があった.計算領域全体にマップとして表示した計測感度と流れ場の特徴を関連づけることで,流れ場の変動の大きな箇所が可観測性グラム行列の固有値の大きな領域に対応することを確かめた.加えて,逐次型および変分型データ同化手法を低レイノルズ数のカルマン渦流れを用いて比較し,アンサンブルカルマンフィルタにおいてはアンサンブルの性質によって解析インクリメントの分布が決まっており,計測データ量を増やすことで解析インクリメントが流れ場の修正に適した分布となっていく様子を確認した.このことから適切な計測を行うことがデータ同化の精度向上に本質的に重要であると言える.

飛行実証に関しては近年のドローン飛行に関する制限から十分に行うことができたとは言えないが,今後は小型ドローンの高性能化および各種センサーの小型化により,比較的容易にドローンを用いたデータ同化システムの検討が可能となってきていると考えらえる.

  • 研究成果

    (15件)

すべて 2020 2019 その他

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 2件、 招待講演 4件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Application of Observability Gramian to Targeted Observation in WRF Data Assimilation2020

    • 著者名/発表者名
      Ryoichi Yoshimura, Aiko Yakeno, Takashi Misaka, Shigeru Obayashi
    • 雑誌名

      Tellus A

      巻: 72 ページ: 1-11

    • DOI

      10.1080/16000870.2019.1697602

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Prediction of surface roughness in CNC turning by model-assisted response surface method2020

    • 著者名/発表者名
      Takashi Misaka, Jonny Herwan, Seisuke Kano, Ryabov Oleg, Hiroyuki Sawada, Nagayoshi Kasashima, Yoshiyuki Furukawa
    • 雑誌名

      Precision Engineering

      巻: 62 ページ: 196-203

    • DOI

      10.1016/j.precisioneng.2019.12.004

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Influence of Turbulence Statistics on Stochastic Jet-Noise Prediction with Synthetic Eddy Method2019

    • 著者名/発表者名
      Shiku Hirai, Yuma Fukushima, Shigeru Obayashi, Takashi Misaka, Daisuke Sasaki, Yuya Ohmichi, Masashi Kanamori, akashi Takahashi,
    • 雑誌名

      Journal of Aircraft

      巻: 56 ページ: 2342-2356

    • DOI

      10.2514/1.J051609

    • 査読あり
  • [雑誌論文] データ同化支援工学(DAE)のこれまでとこれから2019

    • 著者名/発表者名
      三坂孝志, 加藤博司,大林茂
    • 雑誌名

      日本機械学会誌

      巻: 122 ページ: 8-11

  • [雑誌論文] 大規模システムを見える化するデータ同化2019

    • 著者名/発表者名
      加藤博司, 三坂孝志, 大林茂
    • 雑誌名

      ターボ機械

      巻: 47 ページ: 41-49

  • [学会発表] CAEからDAE(データ同化支援工学)へ2020

    • 著者名/発表者名
      三坂孝志
    • 学会等名
      日本機械学会 流体工学部門 トピックス講習会「流体とインフォマティクス」
    • 招待講演
  • [学会発表] 複雑現象へのデータ同化アプローチ-切削加工への応用-2020

    • 著者名/発表者名
      三坂孝志
    • 学会等名
      第5回トリリオンセンサ・可視化研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] 複雑現象へのデータ同化アプローチ-切削加工への応用にむけて-2019

    • 著者名/発表者名
      三坂孝志
    • 学会等名
      大阪大学MMDS主催「工学と数学との接点を求めて」
    • 招待講演
  • [学会発表] 流体CAEにおけるデータ同化の活用2019

    • 著者名/発表者名
      三坂孝志
    • 学会等名
      高精度CAEのための実験技術およびデータ同化に関する研究会(名古屋工業大学研究協力会)
    • 招待講演
  • [学会発表] Building Cube Methodを用いたFOM/ROMハイブリッド計算2019

    • 著者名/発表者名
      三坂孝志
    • 学会等名
      日本機械学会 第32回計算力学講演会
  • [学会発表] 切削加工プロセスにおけるデータ同化に向けて2019

    • 著者名/発表者名
      吉村僚一,焼野藍子,三坂孝志,菊地亮太,岩渕秀,大林茂
    • 学会等名
      日本機械学会 第32回計算力学講演会
  • [学会発表] Prediction of Film-Cooling Effectiveness based on Bayesian Model Calibration of SST Turbulence Model2019

    • 著者名/発表者名
      Takashi Misaka, Norio Asaumi, Seiji Kubo, Takeomi Ideta, Shigeru Obayashi
    • 学会等名
      International Gas Turbine Congress 2019
    • 国際学会
  • [学会発表] Comparison of Data Assimilation Methods in Flow Problems2019

    • 著者名/発表者名
      Takashi Misaka, Shigeru Obayashi,
    • 学会等名
      Nineteenth International Symposium on Advanced Fluid Information
    • 国際学会
  • [図書] Computational and Experimental Simulations in Engineering, Proceedings of ICCES20192020

    • 著者名/発表者名
      Takashi Misaka (Contributing author), Okada, Hiroshi, Atluri, Satya N. (Eds.)
    • 総ページ数
      1342
    • 出版者
      Springer
    • ISBN
      978-3-030-27052-0
  • [備考] 個人Webサイト

    • URL

      https://staff.aist.go.jp/takashi.misaka/index.html

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公開日: 2021-01-27  

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