マイクロミラーには一般に小さな駆動電圧で大きな変位や回転角度が求められる。そのため、レーザー走査が必要な機器においては、マイクロミラーは小さな駆動電圧で大きな動作が達成可能な、共振を主に利用し駆動される。音響空洞構造は、共振状態のデバイスから放射される音波エネルギを構造内に閉じ込め、更なる変位や回転角度の増大を目的として考案された。製作したマイクロスキャナ構造において、単純な平面基板上へ設置したものより、適切な空洞長を持つ基板構造に置いたものにおいて振幅の増加が見られ、スキャナ構造においても音響空洞の効果が実験的に確認された。また、任意形状の音響空洞解析のための数値計算環境の基盤が整った。
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