研究課題
本年度は植物細胞の極性形成機構の解明を目指し、(1)PINの局在化に関わる分子機能未知遺伝子MAB4の解析 (2)細胞壁によるPINの局在化・クラスター形成制御の解析、(3)PINクラスター構成タンパク質の同定および機能解析、(4)PINの極性局在・クラスター化を制御する因子の探索・同定の4点から解析を行った。(1)では、昨年度の解析から、PINとMAB4が細胞膜上で共局在をすることを見出していた。本年度は両者が物理的に直接相互作用する可能性を考え、in vitro pull downによる実験を行った。しかしながら、positiveな結果は得られなかった。一方、PIN2-VenusおよびMAB4-CFP両発現体を用いたFRET解析により、予備的な結果ながら、直接の相互作用を示唆する結果を得ることに成功した。(2)昨年度の解析から、細胞壁修飾酵素PMEIの過剰発現では、PINクラスター形成が異常になることが示唆されている。PMEIの細胞内輸送機構を調べるために、PMEI-GFP発現体を作出した。しかしながら、PMEI-GFPは、発現量が弱く明確なシグナルは検出することはできなかった。(3)昨年度、抗PIN1および抗PIN2抗体による免疫沈降実験を行ったが、うまくいかなかった。そこで本年度は、PIN1-GFPおよびPIN2-GFP発現体を用いた、免疫沈降実験に着手した。しかしながら、wesern blotの結果、免疫沈降がうまくいっていないことが明らかになった。(4)昨年度の解析からvan6変異体の原因遺伝子候補を得ることに成功した。今年は、ひきつづき、それらの遺伝子のノックアウト変異体の表現型を解析を行い、候補遺伝子をせばめた。また、PINクラスターの形成に異常をきたす化合物の探索を行い、2つの化合物を同定することに成功した。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
アグリバイオ
巻: 3 ページ: 49-51
Plant Biotechnology
巻: 35 ページ: 155-159
https://doi.org/10.5511/plantbiotechnology.18.0312a