研究課題/領域番号 |
17K17596
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
妙木 忍 東北大学, 国際文化研究科, 准教授 (30718143)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 文化資源 / 医学史 / ジェンダー / 複製身体 / 余暇の社会史 |
研究実績の概要 |
本研究は、医学分野において女性の身体がどのように表現されてきたのかを、日本やヨーロッパなどの事例をもとに考察するものである。 2017年度は、医学の展示に関する調査を開始した。 日本の事例として、元祖国際秘宝館伊勢館(1972年~2007年)の医学模型の展示理由の手がかりを得るため、1972年開館当初の写真や関連する音声データの記録化と保存をおこない、分析の準備を進めてきた。また、医学的要素を除去して秘宝館を温泉観光地に展開した施工業者に女性の身体表象に関するインタビューをおこなった。嬉野武雄観光秘宝館(1983年~2014年)の図面や企画書などの資料も分析を開始した。 海外の調査としては、ロンドンの医学展示に関する博物館で資料を収集し、Wellcome Collection、Gordon Museum、Science Museum、マダム・タッソー蝋人形館などを調査した。Wellcome Libraryで論文を収集した。また、ニューヨークでは、House of Wax等を訪問し、ムラージュ、横たわる女性の蝋人形(本研究で調査対象とする解剖学用のヴィーナスと類似)等を調査した。解剖学用のヴィーナスをめぐっても、考察を進めている。 本年度の成果の意義は、医学の展示を有する博物館や私設の展示施設を調査・検討し始め、翌年度の研究への準備が進んだことにある。また、日本における1970年代、1980年代の資料についても整理を始めており、翌年度以降の分析につながる成果があった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
勤務先での全学業務の関係で、海外調査の時期、場所、内容の予定が変更となった。
|
今後の研究の推進方策 |
今後の3年間は、資料や文献の分析を続けるとともに、国内調査と海外調査を進めていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 海外での調査が予定よりも少なくなったことが主な理由である。 (使用計画) 翌年度は国内調査と海外調査を実施するとともに、文献調査にも費用を必要としている。
|