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2018 年度 実施状況報告書

医学的まなざしと女性の身体―解剖学と展示の政治性をめぐる国際比較研究―

研究課題

研究課題/領域番号 17K17596
研究機関東北大学

研究代表者

妙木 忍  東北大学, 国際文化研究科, 准教授 (30718143)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード文化資源 / 医学史 / ジェンダー / 複製身体 / 余暇の社会史
研究実績の概要

医学分野における女性の身体表象を分析する本研究課題において、2018年度は日本の事例の分析、海外調査、文献の解読を進めてきた。
日本の秘宝館の起源は医学模型にあるが、医学的要素が除去されていく過程で重要な位置付けにある佐賀県の嬉野武雄観光秘宝館(2014年閉館)の1983年当時の企画書などをもとに、女性の身体表象の中でも特に乳房の表象に関する論考を発表した。2018年度は『展示学事典』(丸善出版)も刊行され、「秘宝館と展示」という項目を担当した。
海外調査は、2018年9月にハンガリー、2019年3月にイタリアで調査をおこなった。ブダペストのSemmelweis医学博物館では分析対象の解剖学用ヴィーナスの調査をおこない、当該模型がイタリアから運搬されてきた経緯に関する文献を収集した。また、今日的な活用や修復に関する情報も収集した。
イタリアではナポリ、ローマ、フィレンツェ、ボローニャ、カリアリ、パヴィアを含む多くの都市で調査をおこなったが、クレメンテ・スッシーニが作った医学模型がカリアリやパヴィアに運搬されていることから、模型の移動に関する歴史的背景についても関心を持つことになった。フィレンツェのLa Specolaでは、学芸員の協力のもとで、そこでしか集められない文献を収集して持ち帰り、解読を進めている。
2018年度は、模型の運搬や文化の伝播、現代における修復という視点も得ながら、国際比較の視点や歴史的背景についての考察も進めてきている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

調査はおおむね順調に進んでいるが、文献の解読に時間を要している。

今後の研究の推進方策

文献や資料の解読、調査を継続していく。

次年度使用額が生じた理由

(理由)
予定よりも購入する物品が少なかったため。
(使用計画)
物品購入など研究計画遂行のために使用する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019 2018

すべて 学会発表 (1件) 図書 (2件)

  • [学会発表] 「エロスの抑圧?―乳房の表象にみる秘宝館のパラドックス」2018

    • 著者名/発表者名
      妙木忍
    • 学会等名
      平成30年度第4回応用倫理・応用哲学研究会(北大文学研究科応用倫理・応用哲学研究教育センター)「乳房の表象研究『ゆれるおっぱい、ふくらむおっぱい 乳房の図像と記憶』(武田雅哉編、岩波書店)を読む」(3名)
  • [図書] 『展示学事典』(妙木忍、「秘宝館と展示」、488-489)2019

    • 著者名/発表者名
      日本展示学会編
    • 総ページ数
      640
    • 出版者
      丸善出版
    • ISBN
      978-4-621-30359-7
  • [図書] 『ゆれるおっぱい、ふくらむおっぱい : 乳房の図像と記憶』(妙木忍、「エロスの抑圧?―乳房の表象にみる秘宝館のパラドックス」、53-63)2018

    • 著者名/発表者名
      武田雅哉編
    • 総ページ数
      240
    • 出版者
      岩波書店
    • ISBN
      978-4-00-025428-1

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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