研究課題/領域番号 |
17K17596
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
妙木 忍 東北大学, 国際文化研究科, 准教授 (30718143)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 文化資源 / 医学史 / ジェンダー / 複製身体 / 余暇の社会史 |
研究実績の概要 |
医学分野における女性の身体表象を分析対象とする本研究課題において、2019年度は、海外調査、国内調査、収集した資料の分析を進めてきた。 具体的には、(2019年3月から4月にかけておこなった)イタリア調査の一部、名古屋大学や東京大学にあるムラージュに関する調査もおこなった。2018年度にもイタリアやハンガリーで資料を収集しており、その解読や分析も2019年度は継続しておこなっている。 また、日本で最初に医学展示を含む複製身体を展示した伊勢の元祖国際秘宝館跡地を訪れ、当時の状況を知っている方に話を聞いたりした。伊勢の秘宝館の後、温泉観光地に作られた多くの秘宝館では、医学的要素が除去されていったが、その過程で重要な位置づけにある佐賀県の嬉野武雄観光秘宝館(2014年閉館)の開館当初の企画書(1983年)をもとにした女性の乳房の身体表象の論考(2018年度に岩波書店から刊行された書籍の1章分)が、2019年度は韓国語の書籍の1章分として翻訳された。 さらに、2019年度末には、約40年前の資料を保管する方からの連絡により、伊勢・鳥羽・石和にあった秘宝館の企画書等の資料が届けられた。そのため、今後の資料活用や保存に関する考察も始め、研究の進展に努めようとしている。 2018年度の調査の続きとして、クレメンテ・スッシーニの作品の伝播過程や国によって展示されている模型が異なる理由を、もう少し詳しく調査をしたかったが、新型コロナウイルスの影響もあり、2019年度は海外調査は予定より進まず、国内でできることや文献・資料の解読などに重点を置いた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
海外調査が予定よりも進まなかった(新型コロナウイルスの影響を含む)。また、収集した資料や文献の解読に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
文献や資料の解読、調査を継続していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 海外出張が予定よりも少なくなったため(新型コロナウイルスの影響を含む)。 (使用計画) 社会の状況を見ながら、研究に必要な出張や物品購入、資料分析などを進める。
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