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2021 年度 実施状況報告書

医学的まなざしと女性の身体―解剖学と展示の政治性をめぐる国際比較研究―

研究課題

研究課題/領域番号 17K17596
研究機関東北大学

研究代表者

妙木 忍  東北大学, 国際文化研究科, 准教授 (30718143)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2023-03-31
キーワード文化資源 / 医学史 / ジェンダー / 複製身体 / 余暇の社会史
研究実績の概要

2021年度は、コロナ禍のため海外調査に行くことができなかったが、これまでに収集した資料や文献を整理し、分析を進めてきた。フィレンツェで作られた解剖学用ヴィーナスが、イタリア国内(ボローニャ、パヴィア)だけではなくオーストリアやハンガリーにも運搬されて保存されていることから、解剖学用ヴィーナスの由来と伝播について検討してきた。
フィレンツェで作られた蝋人形の歴史、それが海外に輸送されて保存された経緯、輸送自体に関する資料なども検討してきた。妊娠している蝋人形と妊娠していない蝋人形があることに着目し、両方の展示がある場合、前者のみ展示がある場合、後者のみ展示がある場合など、展示空間についても検討してきた。
その過程で、女性のリンパ系に特化した蝋人形があることは注目に値する。それは、18世紀における身体表象において科学史の観点からも重要であると考えられる。
ニューヨークのメトロポリタン美術館で開催されたLike Life展(2018年)において、センメルヴェイス医学博物館(ブダペスト)の解剖学用ヴィーナスと、マダム・タッソー蝋人形館(ロンドン)のSleeping Beautyが同じ部屋で展示されたことについても着目している。医学的な要素を含むか含まないかという相違はあるものの、迫真性の高い、横たわる女性の蝋人形(全身像)という共通点があり、複製身体の持つ意味も考察してきた。
以上のような視点から考察を加え、成果を原稿にまとめつつある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

海外調査が予定よりも進まなかった(新型コロナ感染症の社会状況の影響を含む)。

今後の研究の推進方策

これまでの調査と資料の分析を通して、まとめの作業に取り組む。また、蝋人形の保存や修復の観点も考察に加える。

次年度使用額が生じた理由

(理由)
海外調査が予定よりも少なくなったため(新型コロナウイルス感染症の社会状況の影響を含む)。
(使用計画)
社会の状況をみながら、研究に必要な支出を決め、研究を進める。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] 東北大学研究者紹介(妙木忍)

    • URL

      https://www.r-info.tohoku.ac.jp/

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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