研究課題
若手研究(B)
本研究は、近代日本の内務官僚である三島通庸(1835-1888)の都市計画分野への貢献に焦点をあて、彼の都市計画手法を明らかにすることを目的としている。三島が手がけた最初の都市計画とされる上荘内郷および下三股郷の建設において、その後の都市計画手法との類似が多く認められることを明らかにした。また、三島が建設に関与した建築物の立面構成と都市計画手法が相似的な構成を有していることを指摘した。
建築史・意匠
政治史上の否定的評価もあって、十分な研究が行われてこなかった三島の都市計画分野における実践について、関連資料の収集や現地調査等により基礎情報の整理を行うとともに、物的な構成要素に着目した分析から都市計画手法の考察を行なった。加えて、まちづくり団体等へのヒアリングから三島が建設した都市を地域資源として捉える動きが生まれていることを確認し、本研究の成果が今後のまちづくりにおける基礎資料として貢献することが期待できる。