本研究では、応力負荷に伴うリチウムイオン電池正極材料のLiの化学ポテンシャル変化を、応力下における起電力測定により実験的に評価した。白金によりコーティングされたSiO2基板上に成膜したLiCoO2薄膜、および電解液を用いて電気化学ポテンシャルプローブを作製した。この電気化学ポテンシャルプローブを、応力が印加された正極材料に接触させることで、応力印加時のLiの化学ポテンシャル変化を、正極材料ープローブ間の起電力として測定した。測定された起電力は、熱力学理論より導いた起電力の理論値と概ね一致しており、応力印加に伴う正極材料の化学ポテンシャル変化を正確かつ定量的に評価できたといえる。
|