本研究は、IADLの中から服薬管理に焦点を絞り、地域在住高齢者の服薬管理における困難と、その困難に対する高齢者自身の工夫を明らかにすることを目的とした。 232名を対象にした質問紙調査では、『決められた時間に薬を飲む』『もらった薬を余らせない』ことに困難があることがうかがえた。服薬指示の理解状況と遂行機能には、中程度の有意な相関が認められ、(p<0.001)服薬指示理解には、遂行機能が影響すると考えられた。55名を対象にした訪問調査では、先の服薬管理の困難な状況に対する工夫について、工夫点の観察とインタビューを行った。対象者は全員、朝と夕で別々のピルケースを使うなど、何らかの工夫を行っていた。
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