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2018 年度 実績報告書

配位高分子内制限空間における水の特異性評価と分離・計測への応用

研究課題

研究課題/領域番号 17K17635
研究機関埼玉大学

研究代表者

半田 友衣子  埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (20586599)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード金属ー有機構造体 / 配位高分子 / クロマトグラフィー / イオン交換
研究実績の概要

30年度は、Fe(III)とベンゼントリカルボン酸(BTC)が形成する配位高分子(Fe-btc)を固定相とする液体クロマトグラフィーにより、Fe-btcへの移動相溶媒の過剰吸着を測定した。アセトニトリル(ACN)/水移動相を用いた場合、ACNの体積分率(x)がおよそ0.5以下ではACNが過剰吸着し、xが0.5以上では水が過剰吸着する。ACNと水はそれぞれ芳香環とFe(III)に吸着すると考えられる。過剰吸着等温線の解析により、ACNと水のFe-btcへの吸着の強さは同程度であることがわかった。n-アルコールおよび芳香族化合物の保持挙動を測定した結果より、x<0.5では逆相モード、x>0.5では逆相と順相の混合モードの保持機構となることを初めて明らかにした。これは、Fe(III)サイトへの吸着と芳香環との疎水性相互作用が同程度に作用するためであると考えられる。
混合モードの液体クロマトグラフィーは、一般的な順相や逆相系では分離できない生体分子等の分離に有効であり、Fe-btcを固定相とする液体クロマトグラフィーは生体分子の分離系への展開が期待できる。
Fe-btcの骨格が創り出す空隙全体を過剰吸着相とみなした場合、ACNの過剰吸着は最大で移動相組成の約1.5倍であった。これまで、Fe-btcを固定相とするクロマトグラフィーでの物質保持挙動は、Fe-btc骨格への吸着と考えられてきたが、Fe-btcのケージ内の溶媒(過剰吸着層)も固定相として機能し得ることを示唆している。今後は、ACN以外の極性溶媒を用いた際の混合モードの特性、および過剰吸着層の溶媒としての機能を明らかにしていく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] アセトニトリル/水混合溶媒からの 金属-有機構造体 [Fe3OF(H2O)2(BTC)2] への過剰吸着2019

    • 著者名/発表者名
      吉川真帆、半田友衣子、齋藤伸吾、渋川雅美
    • 学会等名
      第24回LC-LC・MSテクノプラザ

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公開日: 2019-12-27  

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