本研究では、配位高分子の制限空間に内包された溶媒の特性がバルク溶媒と異なる可能性に着目し、1)配位高分子の空隙内溶媒が固定相として機能する液体クロマトグラフィー、2)配位高分子の空隙内の水が関与するイオン交換、の特性の解明に取り組んだ。1)では、トリメシン酸―Fe3+配位高分子の空隙内への溶媒の過剰吸着現象を捉え、空隙内溶媒が固定相として機能する可能性を示した。2)では、テトラキスリン酸―La3+-Na+配位高分子でのK+選択的なイオン交換現象を捉え、空隙内の水が反応に関与する可能性を示した。 以上のように、新たな高選択的分離法への発展が期待できる成果が得られた。
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