研究課題/領域番号 |
17K17637
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
大島 渚 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (20791932)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | EBウイルス / 悪性リンパ腫 / DNAメチル化 / エピジェネティクス |
研究実績の概要 |
1. 2011年~2016年までの5年間に当院で加療したびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、Epstein-Barr virus(EBV)陽性(+)リンパ増殖性疾患(EBV-LPD)患者群を、EBV(+)DLBCL群、EBV-LPD群、EBV(-)DLBCL群に分類し、現在、後方視的生存解析を行っている。また、酵素抗体法を用いてDLBCLをより詳細に分類し、EBV感染に伴う影響を確認している。 2. 上記の患者群のうち、当院でリンパ節生検を施行した患者群の切除リンパ節約50検体を薄切し、その断片からDNAを抽出した。今後はInfinium 450k methylation array (Illumina)を行い、DLBCL群、EBV-LPD群のDNAメチル化形質の中でも、近年特に癌でのDNAメチル化の関与が報告されているスーパーエンハンサー領域に注目し網羅的に解析する。B細胞におけるエンハンサー同定のためには、ヒストンのアセチル化(H3K27Ac)やメチル化(H3K4me)のクロマチン免疫沈降シーケンス(ChIP-seq)を行う。これらの結果を1.と併せDLBCL群、EBV-LPD群をDNAメチル化形質に基づき層別化し、DNAメチル化標的遺伝子を同定する。また、DNAメチル化形質と予後の層別化を行う予定である。 3. 2. と同じ検体からRNAも抽出し、バイオアナライザーにてクオリティーチェックを終え、シーケンスに適したRNAが得られていることを確認した。今後はライブラリ調整後RNAシークエンスを行い、DNAメチル化と遺伝子発現の関係を網羅的に解析する。これによりDNAメチル化変化により制御され、EBV(+)DLBCLの病態形成と治療抵抗性をもたらす機序に関わる因子を同定する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2017年6月10日より切迫早産にて早期休職が必要となり、当初7月下旬から予定していた産休の前にシーケンス等の実験を終えることができなかった。 出産も早産となってしまい、児も低出生体重児であったため、早期の復職が困難であった。
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今後の研究の推進方策 |
1. EBV(+)DLBCL群、EBV-LPD群、EBV(-)DLBCL群の後方視的生存解析を終了させる。また、症例数が少ないため可能であれば調査期間を延長して解析することも検討している。 2. 上記患者群のリンパ節断片から抽出したDNAは今後はInfinium 450k methylation array (Illumina)を行い、DLBCL群、EBV-LPD群のDNAメチル化形質を網羅的に解析する。また、B細胞におけるエンハンサー同定のためには、ヒストンのアセチル化(H3K27Ac)やメチル化(H3K4me)のクロマチン免疫沈降シーケンス(ChIP-seq)を行い、これらの結果と併せ、DNAメチル化標的遺伝子を同定する予定である。 3. 2. と同じ検体から抽出したRNA検体に関しては、シーケンスに適したRNAが得られていることが確認されているため、今後はライブラリ調整後RNAシークエンスを行い、DNAメチル化と遺伝子発現の関係を網羅的に解析する。これによりDNAメチル化変化により制御され、EBV(+)DLBCLの病態形成と治療抵抗性をもたらす機序に関わる因子を同定する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2017年6月10日より切迫早産にて早期に休職が必要となり、当初7月下旬から予定していた産休の前にシーケンス等の実験を終えることができなかった。また、出産も早産となってしまい、児も低出生体重児であったため、早期の復職が困難であり、平成29年度に予定していた高額支出がなかった。 今後はInfinium 450K array、RNAシーケンス、ChIPシーケンス等次世代シーケンサーを使用した大型の実験を予定しており、次年度使用額を使い切る予定である。
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