研究課題/領域番号 |
17K17649
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小坂 理子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (50784873)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | インドネシア / 食行動 / 農村 / スンダ |
研究実績の概要 |
平成29年度は本研究課題初年度であり、当初計画では、翌年以降におこなう予定の現地調査の事前準備にあてるとしていた。しかし調査を開始できる準備が早期に整ったため、8月~9月に現地調査(インドネシア・西ジャワ州農村)を実施することができた。また、10月には国際学会(International Union of Nutritional Sciencesの21st International Congress of Nutrition)で成果の一部を発表した。 事前準備では質問紙の質問項目の検討、現地調査許可の取得等がその主な内容であった。現地調査では、インドネシア・西ジャワ州スメダン県の農村1カ所に滞在し、栄養状態に影響する要因として人びとの食行動に関わる聞き取り調査などをおこなった。インドネシア人の調査補助者とともに世帯を個別に訪問し、村内のほとんどの世帯(約40世帯)からデータを集めることができた。今後も引き続き当該農村で調査を継続する予定である。 国際学会では、前年までに得たデータの分析結果と上記の現地調査の見聞とを合わせた内容でポスター発表をおこなった。また、本学会では、本研究課題のメイントピックである「栄養不良の二重負荷」について論文等を発表している他の研究者の最近の研究内容についても知ることができた。 以上に加え、文献収集や、食に関心をもつ他の研究者との研究会に積極的に参加し、意見交換をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画では、平成29年度は、調査許可取得や質問紙の検討・作成等、翌年の現地調査実施のための準備期間としていた。しかし現地調査を実施する手筈が整い、調査地を訪問する機会を得たため、今年度にも現地調査を実施することができた。今回の調査ではインドネシア・西ジャワ州スメダン県の農村1カ所に滞在し、約40世帯を対象として食行動に関わる聞き取り調査などをおこなった。今回はとくに個食/共食のスタイルに注目し、24時間思い出し法によって、摂取した食品とともに「誰と」「どこで」食べたかの情報を収集した。 加えて、前年までに得たデータの分析結果と合わせて、International Union of Nutritional Sciencesの21st International Congress of Nutritionにおいてポスター発表をおこなった。このほかの成果発表として、論文を英文学術雑誌へ投稿中である。
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今後の研究の推進方策 |
現地調査を平成29年度に前倒しで実施したが、30年度にも実施できる可能性があり、現地調査許可等の状況を確認している。本来の計画では研究対象村落を2カ所としており、29年度に調査を実施した1か村に加えてもう1か村を選定する必要がある。現地カウンターパートと十分にコミュニケーションをとり、議論を深めたい。30年度も8~9月頃に現地調査を実施する見通しである。 成果発表としては、現在学術雑誌へ修正原稿を投稿中であり、30年度中には公刊できるものと考えている。加えて、Society of Human Ecologyの23th International Conferenceにおいて口演発表を計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
本来の計画では、平成29年度には現地調査の実施を予定していなかったが、実施できる運びとなったため、現地調査にかかる費用について前倒しの支払いを申請した。しかし、規模の大きな調査は実施できなかったため、差額が生じる結果となった。 平成30年度にもやはり現地調査を予定しているため、この調査にかかる費用に充てることとしたい。
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