研究課題/領域番号 |
17K17658
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
瀬戸 寿一 東京大学, 空間情報科学研究センター, 特任講師 (80454502)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 参加型GIS / ボランタリー地理情報 / オープンデータ / シビックテック / 市民参加 |
研究実績の概要 |
初年度にあたる平成29年度は,まずオープンジオデータの評価手法に関する検討として,先行研究の多い公共政策・政治学分野における既往研究の整理と,地理学における関連領域として空間データ基盤やボランタリー地理情報の評価指標に関する研究の整理を行った.オープンデータに特化した評価指標については,国際的な評価な枠組みとして,主にOpenKnowledgeによるGlobal Open Data Index,さらにはODIの定めるOpen Data Maturity Model等に着目しながら,オープンデータのの適用分野や流通量について検討を行った.その結果,防災や交通などの鍵となる分野とオープンデータの発展段階の両軸から達成度を把握する必要があることを認識した.
また都市の具体的な事例調査(定性研究)については,日本国内でオープンデータを提供している都市の網羅的な把握をはじめ,南砺市や金沢市などで実態把握を行った.また,年度後半にかけてはボストンで開催されたFOSS4Gやバルセロナで開催されたSmart City EXPOにおいて特に欧米における複数の先進地域の事例について,専門家を交えて議論することができた.
他方,日本国内におけるオープンデータを活用した活動やアプリケーション等の実装事例の把握については,アーバンデータチャレンジ等における活動調査から得られた知見を元に,実態把握を試みたほか,オープンジオデータの共通基盤として,特に海外ではOpenStreetMap(OSM)の重要性が依然として高まっていることから,これらのデータについてどのようなデータが更新されているかについての分析を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
日本国内におけるオープンデータ流通については,国による調査や専門家との意見交換によって把握することができた.国外においてもSmart City EXPOなど海外のカンファレンスにおいて情報を入手することができた.
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は,引き続き,流通量やカテゴリを始めとする定量的な評価手法について検討するほか,都市政策分野として比較できそうな防災や交通,公共施設(インフラ)などの分野を対象に事例を深めて調査する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
大きな支出予定であった、解析用のPCの発売が延期になり、分析にかかる作業自体にも過年度の研究費で購入したPCを利用することができたため。また、旅費についても調査先の諸事情で現地訪問する日程が合わずオンライン等で代替することができたほか、国際学会も非採択等で旅費を要さなかったため。これらについてH30年度は、年度初頭より当該テーマに関連した国際学会が予定されており、そのために支出するほか、調査や分析の進展に応じて解析環境の整備費用や書籍等の購入を予定している。
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